Research Abstract |
1.概要 平面運動に対する大変位,大変形を伴う弦・剛体系の運動に対するモデリング,定式化,制御系設計を行った。また,先端機を2リンクロボットとして,姿勢制御に関する制御系の実装,アクチュエータ,姿勢角検出センサの配置などを行なうと共に微小重力下における実験も実施してシステムの運動を観測した。 2.理論解析 本研究課題で対象とするシステムは,マルチボディダイナミクスと制御系との融合課題である。したがって,理論解析の立場からは,以下の克服すべき研究課題すなわち,(1)超柔軟体と剛体との混在系,(2)・大変形,大変位,大回転を伴う非線形課題,(3)制御系,(4)時変系(伸展回収によるテザーの長さ変化),(5)流体力の連成,などへの取り組みが必要である。今年度は,上記(1)〜(3)の課題に対して2次元問題について理論の構築を行った。弦・剛体系の平面問題における運動解析手法は確立されたので,今後はこれを3次元モデルとし,テザーの長さ変化を考慮できる定式化を行なう。長さ変化については近似的な手法を提案したが,今後より厳密なモデルとする必要があり,また制御系については位置制御も含めた検討が必要となる。 3.実験 初年度には基礎実験装置を研究室内に作成し,大変位,大変形を伴うテザーの運動について理論の検証を行なった。このときのテザーの運動は撮像の上画像解析(14年度購入)によりデータ化した。また,先端機部を試作し,機能確認を目的に基本的実験を行った。実験装置はテザーとアームおよびベース部より構成され,テザー先端にアームを連結する。アームは回転関節により構成されサーボアクチュエータにより駆動され,ベース部には加速度センサが取り付けられ,姿勢が検出される。この先端機を微小重力場においてテザーと連結し,姿勢制御の可否を観測した。姿勢制御は概ね達成されているが,なお検証の余地があり,次年度も引き続き実験を継続する予定である。
|