2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550223
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
曽我部 潔 上智大学, 理工学部, 教授 (60095859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曄道 佳明 上智大学, 理工学部, 教授 (50262118)
能見 公博 香川大学, 工学部, 助教授 (20325319)
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Keywords | テザードシステム / マルチボディダイナミクス / 海洋探査 / 柔軟体の運動 / 大変位、大変形問題 / 流体関連運動 |
Research Abstract |
本年度は、進展、回収を伴うテザーの運動について、大変位、大変形を伴う場合の非線形問題に対応するテザードシステムのモデリング、定式化手法を開発した。これは、昨年度に開発を完了した線形問題におけるテザーの長さ変化を考慮するための手法を、Absolute Nodal Coordinate Formulationに拡張したものである。ここでは有限要素を用いて柔軟体の運動を離散化する際に、新たな節点座標と形状関数を導入し、これにより非線形時間尺度を採用した多重時間尺度法を用いることで、テザーの長さ変化を考慮するにもかかわらず、質量マトリクスを時間依存しない形式で表現することに成功した。一般的に、柔軟体の大変形、大変位を伴う場合の運動解析では、多大な計算時間を要する。長さ変化の考慮は、質量マトリクスを時間刻みごとに書き換えるという致命的な計算コスト問題に直面するが、これを回避することに成功したことで飛躍的に計算時間の短縮を図ることができた。結果的に深海向けのテザードシステムに対してもパーソナルコンピュータによる解析を可能にするなど、この種の問題に対する高効率な新たな手法といえる。昨年度と同様に、実験装置を作製し、鋼線を巻き取り、繰り出したときに大変形、大変位を伴うテザーの運動について実験を行った。得られた実験結果について、本手法を用いた数値シミュレーション結果は定性的、定量的に良い一致を見た。さらに、水槽実験装置に水を満たし、流体の影響下でのテザーの運動について、同じく大変位、大変形を伴うテザーの運動について、実験および理論解析を行った。テザーと流体の運動の相互干渉が大きくなく、速度に依存した抵抗力として流体がテザーに作用するような場合について、流体の影響およびテザーの大変形を考慮した数値シミュレーション結果は、実験結果と定性的、定量的に一致した。
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