2004 Fiscal Year Annual Research Report
アクチュエータの飽和を考慮した動的アンチ・ワインドアップ制御器の設計
Project/Area Number |
14550226
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
金森 満 舞鶴工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (80185909)
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Keywords | 入力制限 / 入力飽和 / Anti-windup制御 / モデル規範形滴応制御 / Anti-windup適応則 / リヤプノフの安定論 / 漸近追従性 |
Research Abstract |
モデル規範形適応制御は,プラントのモデル化誤差やパラメータ変動があっても,漸近的追従が可能な制御手法として広く用いられている。しかし,ハード的な制限を越える制御入力が要求されるとき,制御入力に飽和が生じ,制御性能を著しく劣化させることが,昨年度までの研究で明らかとなった。 本年度は,このような制御入力の飽和によって生じる制御性能の劣化を抑制することを目的として,モデル規範形適応制御のAnti-windup設計について検討した。新しくAnti-windup適応則を提案するとともに,漸近的追従を保証するためには,二つの行列不等式条件を満たす正定対称解が存在する必要があることを示した。この条件に基づいて,パラメータ変動があり,かつ,制御入力が飽和した場合でも,漸近追従性を保証し,制御性能の劣化を防ぐことのできる制御手法を確立した。誤差システムの漸近安定性は,リアプノフの安定理論とBarbalat'sの定理によって証明した。電気回路における電圧制御に応用し,実験的に本手法の有効性を明らかにした。また,安定な二次の振動システムを例に取り上げ,数値シミュレーションにより本手法の有効性を示した。2004年9月に台湾(台北)で開催されたIEEEの国際会議(Conference on Control Applications)において,これらの研究成果について発表した。 次に,サーボモータの追従制御問題に,本研究で提案するAnti-windup適応制御手法を応用した。サーボモータは臨界安定なシステムであり,複素平面の原点に一つの極を持つ。この場合は,安定なシステムとは異なり,プラントのパラメータ変動に制約が課せられることを明らかにした。数値シミュレーションにより,臨界安定なシステムにも効果があることを確認した。さらに,実験により制御入力のWindup現象が良好に抑制されることを検証した。
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Research Products
(1 results)