2004 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化単分子膜の微細パターニングを用いたナノ光学素子
Project/Area Number |
14550229
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
福田 勝己 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (20134471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下山 勲 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (60154332)
松本 潔 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (10282675)
星野 一憲 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 専任講師 (30361546)
市川 保正 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (40134473)
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Keywords | 自己組織化 / 単分子膜 / 界面活性 / パターニング / マイクロコンタクトプリンティング法 / 親水 / 疎水 / 光学素子 |
Research Abstract |
本研究は,自己組織化単分子膜上にナノレベルのパターニングを行い,それがナノ光学素子作成に有効であることを示すものである.近年,ナノメートルオーダの分子レベルにおいて,自己組織化プロセスが注目されている.ナノオーダの構造を有する自己組織化単分子膜(SAMs : self assembled monolayer,以下SAM膜と称す)は,界面活性な有機物の極性部分と基板表面との相互作用によって分子が表面に吸着し,しかも非極性部分に働く分子間の相互作用によって分子同士が集合して整然と並ぶことで形成される膜である,このSAM膜の作製は,成膜しようとする表面を溶液に浸すことで高密度で充填した単分子膜が形成される.本研究では,SAM膜上にマイクロコンタクトプリンティング法によってナノオーダのパターニングを行い,親水・疎水性の区別が明確な極微細なパターンを創生すること,すなわち,数ミクロンから数百ナノのサイズの発光素子を製作し,高精細な未来の画像表示装置の発光素子としての有効性を示すことを目的とした. 本研究は,安定した膜構造を有する自己組織化単分子膜に,微細なパターニング技術を融合する形で遂行したものであり,従来にはないような微細な,しかも安定したナノパターンが得られ,自己組織化単分子膜の表面の濡れ特性を利用することによって,超高解像度のディスプレーが実現できる. 本研究では,精細な凹凸を持つシリコンゴムなどの材料にアルカンチオールなどを塗布し,基板表面の押し付けることによって,ナノオーダのパターニング精度を持つ単分子のパターンを形成した.コンタクトプリンティングと呼ばれるこの手法は,容易に大量生産等の産業技術への応用が可能である点も重要である。実験として親水部・疎水部を予めパターニングしておくことにより,親水部のみに選択的に導電性高分子膜を形成することができる.この手法をコンタクトプリンティングと組み合わせることで,ナノオーダの親水パターンに発光素子の有機材料を選択的に吸着させることが可能であり,直接SAM膜によって発光色素や光変調素子などをパターニングすることも可能である.すなわち,光の波長より小さい精度で光学素子を製作することができた。
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