2002 Fiscal Year Annual Research Report
顔・音声と姿勢・身振りによる人物同定メカニズムの解明とセキュリティー機器への適用
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14550239
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
呉 景龍 香川大学, 工学部, 助教授 (30294648)
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Keywords | 認知科学 / 視覚・聴覚相関特性 / 人物同定 / fMRI研究 / 高磁場環境の視聴覚反応装置 / セキュリティ |
Research Abstract |
1.脳機能を画像化する方法fMRI(functional MRI)は,脳活動の空間分解能が優れていることから,視聴覚や高次の脳機能研究によく用いられている.しかし,この装置は高い磁場を必要とすることから,装置近辺に磁性体を含む機器を持ち込むことは,危険であると同時に出力画像に影響を与えるという問題がある.この問題を解決するため,高磁場環境下における応答装置を開発した.さらに、高磁場による誘導起電力が生じないこと,MRI撮像画像への影響はほとんどないこと,操作時の脳活動部位は指だけであることは確認された. 2.人間の顔などのパターン認識において,主観輪郭線などの錯視特性は深く関係していると言われている.本研究では,非対称な図形の主観輪郭知覚特性を定量的に研究し,数理モデルを提案した. 3.聴覚情報(声)による人物同定に関する神経システムを研究するために,機能的MRIを用いて脳の賦活領域を調べた.実験結果から,知らないヒトの声に対し,親しいヒトの声に対する反応は側頭極(BA38),上側頭回(BA22/39),帯状回GC後部(BA23/29),及び前頭葉内側面(BA10)では強い反応が見られる.これらの結果は過去の視覚情報(顔)による人物同定の砥究結果と一致している.さらに,中前頭回(BA6),及び楔前部(BA7)において活動の上昇が認められるため,聴覚情報から視覚情報を生み出すことを推論できる.それに基づいて視聴覚による人物同定モデルを提案する.また,実験1(話者:日本人,被験者:日本人,言語:日本語)及び実験2(話者:日本人・中国人,被験者:中国人,言語:日本語)では,母語の異なる被験者を採用したが,ほぼ一致する結果が得られた.従って,被験者の母語(日本語及び中国語)に関わらず,人物同定を処理する神経システムは一致していると推定する.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Jing-Long WU, Osamu NOBUKI Yoshiro SAKAI: "Human Visual-Audio Information Processing on Phase Discrimination in the Time Course"The International Journal of Information. Vol.5,No.3. 353-362 (2002)
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[Publications] 北澤 雅之, 呉 景龍, 根来 清, 橋田 昌弘, 小笠原 淳一, 山内 秀一, 真田 泰三, 松永 尚文, 酒井 義郎: "高磁場環境下における簡易型応答装置の開発と性能評価"日本機械学会論文誌 C編. 68巻675号. 118-123 (2002)
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[Publications] Sheng Ge, Jing-Long WU, Shunichi Kawano, Takashi Saito: "Subjective Contours Strength Dependence on The Curvature of Illusory form,"Journal of Asian Information. Vol.1,No.1. (2002)
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[Publications] Sheng Ge, Takashi Saito, Jing-Long Wu, Jun-ichi Ogasawara, Shunichi Yamauchi, Kiyoshi Negoro, Masahiro Hashida, Taizao Sanada, Naofumi Matsunaga: "The Brain Areas Sustaining People Identification by Auditory Information : A fMRI Study"The Second International Conference on Information. Vol.3. 155-159 (2002)
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[Publications] M.Kitazawa, Jing-Long Wu, K.Negoro, M.Hashida, J.Ogasawara, S.Yamauchi, T.Sanada, N.Matsunaga, Y.Sakai: "Activation Maps of Human Brain in using the Answering Device in fMRl"The Second International Conference on Information. Vol.3. 80-84 (2002)
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[Publications] Jing-Long Wu, Hiroaki Mizuhara: "Investigation on Human Interactive Characteristics of Visual and Auditory Perception by cognitive Psychological Experiment and Bioengineering Method"SICE Annual Conference 2002. 879-882 (2002)