Research Abstract |
本研究では,ロボットに代表される「知的システム」をエージェント(代理人)として,運動や振舞を含めた,非言語的メディアとして利用する技術を研究する.すなわち,遠隔操作可能な自律ロボットをエージェントとして人間-ロボットシステムの協調作業環境を構築し,人間生活への応用システムを研究する基礎を確立することを目的とする. 本年度は,コンピュータ環境,実験ネットワーク系,画像処理系,センサ情報処理系,自律移動システム系を構築した. 移動機構として,搭載重量20kg,車長670mm・車幅320mm・金属製車体を構成し,マイクロコンピュータによる駆動制御回路を完成させた.さらに,これに搭載する全長403mm,可搬重量500g,6自由度アームを新規設計製作した. また,本自律移動ロボット上には,人との共同作業を行う際の空間指示効果器としてレーザポインタを,遠隔地空間映像を獲得するためにCCDカメラを装備している.これらはジンバル機構に搭載し,ジャイロ情報を用いて,ジンバル機構を制御することにより,これら搭載機器の姿勢がロボットの姿勢変化を受けることなく,絶対空間を指示あるいは注視可能とすることを目的に,姿勢安定化機構と制御系を設計した. さらに,レーザポインタ輝点を色相色彩空間に変換した後抽出することにより,レーザーポインタにより指示した移動目標点に対して,カメラおよび自律移動ロボットが自律的に追従させることを可能とした.この処理には,本年度購入した高速画像処理ボードを適用し,カメラ画像をハードウェア処理することにより,リアルタイム追従を実現している. この自律移動時における障害物回避は,PSDセンサおよび超音波センサを用いて自律回避行動を組み込んだ. さらに,システムの機能および仕様をXMLを用いて記述することにより,システム構築の柔軟性を確保した.
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