2002 Fiscal Year Annual Research Report
磁界源体外設置型人工心臓駆動用大出力磁気式アクチュエータの開発
Project/Area Number |
14550258
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
早乙女 英夫 千葉大学, 工学部, 助教授 (50261938)
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Keywords | 人工心臓 / アクチュエータ / 磁気 / 金属磁石 / ポンプ |
Research Abstract |
本研究は,平成14年度から3カ年に亘って遂行する計画であり,平成14年度は以下の研究実績を得た。 (1)電磁界解析ソフトウェアによる金属磁石の形状設計 高速大容量パソコンを用いて磁気アクチュエータの3次元磁界解析を行い,金属磁石の内径,外形および厚み,さらに,金属磁石の裏面に取り付けるヨークの厚さを設計した。設計条件として,ヒトの循環器系の血圧の上限,金属磁石の磁力およびポンプのピストンストローク長を考慮した。設計結果として,金属磁石の内径,外形および厚みは,それぞれ17mm,63mmおよび17mmで,ヨーク厚は,4.5mmとなった。 (2)「磁気式アクチュエータ」の試作と出力特性評価 設計した寸法の金属磁石,Nd-Fe-B磁石を2枚製作し,これらに設計製作したヨークをそれぞれ取り付け,これらを対向させて磁力の磁石間距離特性および回転角特性を測定した。従来型の磁石対に比較して磁力は増大し,特に,引力は従来型の2倍程度に増大したことを実験により確認した。また,従来型ではその構造から回転角特性に若干のリプルが生じたが,今回の開発品ではリプルがなくなり,スムースな特性となった。 (3)ポンプの試作と特性評価 製作したNd-Fe-B磁石を適用したポンプを試作し,その出力特性を実測した。ポンプの最大出力は0.65Wとなり,従来型に比較して約2倍の出力を得ることができた。また,この時のアクチュエータ出力は1Wであった。直動側の金属磁石の回転を拘束するためのポンプ構造として,従来から用いているスプライン機構の他に、リニアブッシュを用いる方法も検討した。
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