2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550277
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
久保田 寿夫 明治大学, 理工学部, 教授 (10170036)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 一郎 明治大学, 理工学部, 教授 (20130833)
松瀬 貢規 明治大学, 理工学部, 教授 (40061999)
|
Keywords | 交流電動機 / 誘導電動機 / センサレスベクトル制御 / 適応オブザーバ / 回生 / 低速 / 零周波数 / インバータ |
Research Abstract |
誘導電動機の速度センサレス制御系において、従来問題となっていた低速・回生領域および、零周波数を含む運転領域で動作可能な方式について検討を行い、シミュレーションおよび実機実験により検証を行った。 適応オブザーバを用いたセンサレス制御方式では、オブザーバゲインを任意に選ぶ自由度があり、低速・回生領域での安定化を図るためにオブザーバゲインの設計について検討した。設計に際して、推定速度を状態変数に加えた拡大系を考え、ラウス・フルビッツの安定判別法を利用した。特性方程式の特定の係数に注目することで、比較的簡単なゲイン計算でオブザーバの計算が可能となった。 一方、零周波数となる動作点では、誘導起電力が得られなくなり、速度推定が困難であった。これを解決するために、磁束レベルを可変とし、すべり周波数を変化させることを提案した。具体的には、磁束レベルを下げることにより、すべり周波数を大きくとることができ、周波数が零とならないように制御するというものである。 ところで、低速領域では、誘導起電力に対して、一次抵抗による電圧降下の割合が増大するため、一次抵抗の設定値が真値と異なる場合は、不安定になる可能性がある。したがって、一次抵抗も推定することが望ましい。低速・回生領域で動作可能な一次抵抗推定アルゴリズムを提案し、シミュレーションにより検証を行った。しかし、このアルゴリズムは実機実験では安定に動作しておらず、更なる検討と改良が必要である。
|
-
[Publications] Hisao Kubota, Ikuya Sato, Yuichi Tamura, Kouki Matsuse, Hisayoshi Ohta, Yoichi Hori: "Regenerating-Mode Low-Speed Operation of Sensor-less Induction Motor Drive With Adaptive Observer"IEEE Transactions on Industry Applications. 38,4. 1081-1086 (2002)
-
[Publications] 田村裕一, 佐藤以久也, 久保田寿夫, 太田久義, 堀 洋一: "誘導電動機の速度センサレスベクトル制御系における回生領域での適応オブザーバの一設計法"電気学会論文誌D. 122-D,8. 790-798 (2002)
-
[Publications] Hisao Kubota, Yuichi Tamura: "Stator Resistance Estimation for Sensorless Induction Motor Drives under Regenerating Condition"Proc. of the 28th Annual Conference of the IEEE Industrial Electronics Society. (CD-ROM). (2002)