2003 Fiscal Year Annual Research Report
密封式Bridgman法による低抵抗p型ZnSe単結晶の作製
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14550286
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
王 吉豊 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (30271977)
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Keywords | 垂直ブリッジマン法 / ZnSe:Sb単結晶 / p型結晶 / 化学量論組成 / アニール / キャリア濃度 / フォトルミネッセンス |
Research Abstract |
本研究では垂直ブリッジマン法によってpBNをMoで包んだ密封二重るつぼを用い、原料の組成比を変えアクセプター(Sb)のドーピングを行うことによってp型単結晶の作製を試みた。さらにキャリア濃度を高めるため高温アニールを行った。 ZnとSeのモル比の異なる出発原料からZnSe単結晶を成長させた。濃度を変えてアンチモン(Sb)をドープした原料についても同様にして成長させた。Sbを活性化させるため、Sb添加の試料に対して977℃でZn雰囲気の雰囲気処理を施した。試料の評価は4.2Kでのフォトルミネッセンス(PL)測定、C-V測定およびXRD測定を行った。以下のような結果が得られた。 1.ノンドープZnSe単結晶では、Se過剰なZnSe原料から成長させると、ZnSe<1のときI_1スペクトルが支配的な結果となり、P型結晶が得られた。Zn/Se=0.98の結晶のキャリア濃度はN_a=1.8×10^<17>cm^<-3>となった。 2.ZnSe:Sb単結晶の場合は、as-grown結晶には強いI_1スペクトルは観察されなかったが、その後Zn分圧813Pa中で977℃のアニールを行うとSbが活性化されてI_1スペクトルが強く現れ、P型結晶が得られることがわかった。I_1スペクトルの強度は原料組成がSe過剰なほど、またドーピング量が増えるほど強くなった。原料組成比Zn/Se=0.98、ドーピング濃度Sb=10^<19>cm^<-3>の結晶をZn分圧813Pa中977℃で24時間アニールを行ったとき、キャリア濃度はN_a=2.6×10^<17>cm^<-3>となり、ノンドープの値に比べて大きい値となった。 3.X線ロッキングカーブの半値幅から結晶性を評価した。化学量論組成からずれるにしたがい結晶性は悪化した。またドーピング量が少ないほど結晶性は良く、ノンドープのときの結晶性が最も良かった。これより、化学量論的組成、ノンドープの結晶の半値幅が最小であり、FWHM=19 arcsecを得た。 本研究では、Sbのドーピング及びZn雰囲気でのアニールを行うことによってp型結晶が得られ、キャリア濃度が高まることが認められた。今後成長条件およびアニール条件の詳細な検討を行うことによって、より効果的な結果が得られるものと予想される。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] J.J.Davies, D.Wolverson, G.N.Aliev, S.Zeng, J.F.Wang, M.Isshiki: "Spin-flip Raman scattering studies of ZnSe bulk crystals doped with antimony"Semiconductor Science and Technology. 18. 1-5 (2003)