2004 Fiscal Year Annual Research Report
密封式Bridgman法による低抵抗p型ZnSe単結晶の作製
Project/Area Number |
14550286
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
王 吉豊 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (30271977)
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Keywords | 垂直ブリッジマン法 / p型Znse単結晶 / キャリア濃度 / オーミックコンタクト |
Research Abstract |
平成15年度では、垂直ブリッジマン法によってpBNおよびMoるつぼから構成される密封二重るつぼを用い、原料の組成比を変えアクセプター(Sb)のドーピングを行うことによってp型単結晶の作製した。 平成16年度ではV族のアクセプター性不純物であるビスマス(Bi)をZnSe単結晶にドーピングした。ZnSeの出発原料におよそ10^<18>cm^<-3>のBiを添加し、ブリッジマン法によりZnSe単結晶を成長した。作製したBiドープZnSe単結晶を様々な雰囲気および融液中でアニール処理し、最適なアニール温度および時間を調査した。それらの試料をPL測定、C-V測定により評価した。評価の結果から、(Zn+Bi)融液中、1073K、24時間でのアニール処理が最適であることがわかった。さらにこの条件でアニール処理した単結晶はp型伝導を示し、そのキャリア濃度は5.5×10^<16>cm^<-3>であった。 一方、ZnSeが実用化されていない理由は、p型結晶作製の難しさだけではなく、オーミックコンタクトが得にくいこともある。本研究ではp-ZnSeのオーミックコンタクトを得るための電極材料としてPdの可能性を検討した。p型ZnSeバルク単結晶からへき解によって得たウェハを1wt%Br-メタノール30秒でエチング後、Pdの真空蒸着を行った。Pd-オーミック電極を得るため、試料をAr雰囲気中、150-300℃において、1-30minアニールした。I-V特性の測定結果から、300℃、3min間でアニールした試料の接触抵抗率が一番小さいことが分かった。XRD測定結果からas-deposited試料の場合、Pdのピークしか観測されないが150℃でアニールした試料はPdとPd_3Seが観測され、300℃でアニールした試料はPd_<17>Se_<15>+τが観測された。この新しい相がオーミック伝導性に寄与していることが確認された。
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Research Products
(3 results)