2002 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ溶射法によるフラクタル結晶の製作とそれを用いた高感度環境センサの開発
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14550290
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
勝部 昭明 埼玉大学, 工学部, 教授 (70008879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 仁 埼玉大学, 工学部, 教授 (30135660)
内田 秀和 埼玉大学, 工学部, 助教授 (60223559)
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Keywords | NO2ガスセンサ / プラズマ溶射法 / SnO2膜 / 多孔質膜 / 高感度NO2ガスセンサ / 超微粒子膜 |
Research Abstract |
R.Fプラズマ溶射法を用いて高感度で高安定な窒素酸化物(NOx)ガスセンサを開発するための研究を行った。プラズマ溶射法では、高温プラズマ中で材料が溶融、分解、融合を繰り返しながら基板に薄膜状に堆積する。本研究はまず製作パラメータがセンサ特性に与える影響を研究した。その結果薄膜の特性に影響を与える重要なパラメータとしては、プラズマ電力、材料(粉末状)粒子の大きさ及びそのプラズマ中への供給速度、基板の温度などであることがわかった。プラズマ電力が大きいと、高温プラズマにより材料はほぼ完全に溶融し、冷却により生成した薄膜は均一な構造となった。この膜ではガスセンサの感度は低かった。一方電力が小さいと粒子状材料は溶融しない部分が多く残り、もろい構造となった。これらの中間の電力で、安定で多孔質な膜が得られた。この膜はNO2ガスに対して高い感度を示すことがわかった。その他のパラメータもある程度の最適化を図った結果、NO2ガスに対して20ppbまでの低濃度で十分な感度がえられた。この値は日本における環境基準40-60ppbをクリアしている値である。またこのとき応答速度は立ち上がり、立下りとも数分程度であった。 結晶構造をSEMで観測した結果では、この薄膜は数nmの超微粒子状の物から、数μmの大きさの物まで様々な大きさの粒子が混在している多孔質の膜であることがわかった。大きな粒子の表面にそれよりも小さな粒子が付着し、それらの表面に更にそれより小さな粒子が付着しているという階層型の構造が観測された。この構造はフラクタルにも似た構造である。超微粒子状の粒子は高感度化に寄与し、サイズの大きな粒子は膜の構造を強固にしていることが予想される。これらの構造はしかしまだ制御性は十分でなく製作プロセスの検討が今後重要である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 史, 内田, 勝部, 尾上, 堀川: "R.F.プラズマ溶射法による高感度NO2センサの製作"CEMICAL SENSORS. Vol.18. 7-9 (2002)
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[Publications] 勝部, 尾上, 堀川, 内田: "High Sensitive NOx Gas Sensor Fabricated with R.F. Induction Plasma Spray Method"Abstract of 9^<th> International Meeting on Chemical Sensors. 84 (2002)
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[Publications] Liqin Shi, Y.Hasegawa, T.Katsube, K.Onoue: "Highly Sensitive NO2 Gas Sensor Fabricated With R.F. Induction Plasma Spray Method"電気学会研究会資料. MSS-02-19. 79-83 (2002)
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[Publications] S.A.Khan, E.A.Vasconcelos, Y.Hasegawa, T.Katsube: "Gas Response and Modeling of NO-Sensitive Thin Pt SiC"Sensors and Actuators B : Chemical. (to be published).