2004 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ溶射法によるフラクタル結晶の製作とそれを用いた高感度環境センサの研究
Project/Area Number |
14550290
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
勝部 昭明 埼玉大学, 工学部, 教授 (70008879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 秀和 埼玉大学, 工学部, 助教授 (60223559)
前川 仁 埼玉大学, 工学部, 教授 (30135660)
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Keywords | ホルムアルデヒド / プラズマ溶射法 / SnO_2膜 / 多孔質膜 / VOCガスセンサ / 超微粒子膜 / 金属触媒 |
Research Abstract |
環境汚染ガスセンサの研究に関し、NO_2ガスセンサの開発研究を昨年に引き続いておこなうともに、今年度あらたにホルムアルデヒドガス(HCHO)センサの研究を行った。ホルムアルデヒドは、近年問題となっているシックビルディング症候群(SBS : Sick Building Syndrome)の原因となる主要なガスで、その毒性はきわめて高い。このためWHOでも室内におけるHCHOガスの濃度を0.08ppm以下にすることが望ましいことを勧告している。このためHCHOガスを検知するためのセンサの開発が精力的に行われているが、このような低濃度のHCHOガスを簡便に検出できるセンサの開発は出来ていない。本研究は、高感度で高機能なHCHOガスセンサの開発を行ったものである。開発したセンサはSnO2をベース材料とし、プラズマ溶射(PIM)法を活用した薄膜型センサである。IPM法は、高温のプラズマ中において、材料の溶融、分解、再結晶を行って薄膜を作製するものである。プラズマ電力や材料の供給速度などのパラメータを適当に設定することによりHCHOガスに高感度に応答するセンサの作製技術を検討した。その結果、0.02ppm以下のHCHOガスを検出できるセンサ薄膜を作製することが出来た。またその応答速度は、立ち上がり、立ち下りとも数分以内と高速であった。この薄膜は、径数nm〜数100nmにわたり種々の大きさの粒子から成っており、またその構造はほぼ化学量論比で結晶化したものであった。次にこの薄膜中に種々の金属を添加してガス感度の改善効果を検討した。その結果、Inを添加すると感度が増加することを見出した。
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