2003 Fiscal Year Annual Research Report
II-VI族半導体量子ドットを用いた高性能緑色発光素子の開発
Project/Area Number |
14550299
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
松村 信男 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (60107357)
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Keywords | II-VI族半導体 / 量子ドット / CdSe / MBE法 / 自己形成法 / ホトルミネセンス / 緑色発光 / カソードルミネセンス |
Research Abstract |
高性能緑色発光素子構造の基板としては、GaAs(100)ウエハを用いた。高品質のII-VI族半導体発光素子を作成するためには、基板とII-VI族半導体エピタキシャル層との界面の制御が極めて重要となる。そこでGaAs基板に(2x4)β構造を持つホモエピタキシャル膜を再現性良く成長させるための条件を求めた。 高性能緑色発光素子を開発するためには、発光層のII-VI族半導体(CdSe)量子ドットの高品質化が最も重要な課題の1つである。そこで高品質なCdSe量子ドットを得るための最適な成長条件を求めた。MBE法を用い、種々の条件(供給原料の種類、原料供給量、成長温度)で量子ドットを作製し、ホトルミネセンスの測定により品質を評価した。CdSe供給原料の種類としては、CdとSeを個別に原料とした場合とCdSe化合物を原料とした場合とを選び、それぞれ種々の供給量で量子ドットを作製し、ホトルミネセンス特性を調べた。その結果、個別供給では3.0モノレイア(ML)供給、化合物供給で2.0ML以上供給すると緑色(発光波長520nm付近)発光が観測でき、量子ドットが形成された。発光強度は化合物供給2.0MLで最も強く、個別供給3.0MLの3倍の強度が得られた。 量子ドットの特性を更に詳しく調べるため、マイクロ・カソードルミネセンスを測定した。この方法により、測定領域1μm x1μm、分解能0.45μmで単一の量子ドットからの発光を初めて観察でき、素子の高性能化のための指針が得られた。
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