2002 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニックネットワーク用一括波長変換デバイス実現のための非線形光学ガラスの研究
Project/Area Number |
14550307
|
Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
三田地 成幸 東京工科大学, 工学部, 教授 (40339768)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横尾 篤 NTT, 物性科学基礎研究所, 研究主任
|
Keywords | フォトニックネットワーク / 一括波長変換デバイス / テルライト系光学ガラス / 非線形光学定数 / 屈折率分散 / ミラーの法則 |
Research Abstract |
本年度はフォトニックネットワーク用一括波長変換デバイス実現のための非線形光学ガラスとして、テルライト系光学ガラスに着目し、TeO_2-X-Y(X=WO_3,MoO_3,CrO_3,Y=La_2O_3,Nb_2O_5,Bi_2O_3,PbO,Ta_2O_5,TiO_2,Y_2O_3,SnO,Sb_2O_3)系のガラス溶融調製を行い、通常のキャスティング法によりガラス化範囲を明らかにした.得られたガラス化範囲の中で、安定かつ品質の良いガラスを与える組成サンプルについては約15×20×0.5mmの平板形状に光学研磨を行い、紫外分光特性、三次の非線形光学定数の測定を行った。同時に60TeO_2-30WO_3-10PbO及び60TeO_2-30WO_3-10La_2O_3については屈折率測定用の直方体状のサンプル作製を行い、プリズム加工研磨を行うことにより、プリズム形状のサンプルを調製し、200nm〜2500nmの波長範囲における精度の高い屈折率分散測定を最小偏角法により行った。また、研究分担者の所属する研究所の協力により上記の平板形状ガラスサンプルについて、第三高調波発生(THG)を用いたメーカフリンジ法により三次の非線形定数の測定を行った。その結果、(1)より透明感のある系は、TeO_2-WO_3-PbOとTeO_2-WO_3-La_2O_3であること(2)両系の屈折率分散は0.4μm〜5μmの波長範囲で2.2014〜1.9603および2.1658〜約1.925であること(3)テルライト系ガラスの三次非線形定数は0.28〜1.6(×10^<-12>esu)でありミラーの法則にも良く当てはまること(4)TeO_2-WO_3-La_2O_3系では、組成に依存したガラスの呈色(淡黄色から茶色)という興味深い現象が生じること等の新しい知見を得、応用物理学会等で論文発表を行った。EUROMAT2003(European Congress on Advanced Materials and Processes,1-5 Sep. 2003)に投稿し、今後の国際会議等でも研究成果発表を行う予定である。 また、次年度以降の研究計画推進に向け、上記結果に基づいて2次の非線形発現に向けたポーリングのための高電界印加装置系の準備及び、波長変換デバイス用入出力インターフェースとしても有望な結晶化ガラスフェルールの端面パラメータ設計の研究も行い、国内外の学会で発表し標準化の下地作りを行った。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 三田地 成幸: "テルライ系ガラスのガラス形成範囲と光学特性"第50回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 27p-M-16. 978 (2003)
-
[Publications] 三田地 成幸: "テルライ系ガラスの三次非線形光学特性"電子情報通信学会 信学技報. LQE2002-01. 77-82 (2002)
-
[Publications] 三田地 成幸: "結晶化ガラスフェルールを用いたMUコネクタのPC接続条件"2002年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会講演予稿集. C-3-110. 210 (2002)
-
[Publications] Seiko Mitachi: "Physical Contact Conditions of Glass-Ceramic Ferrules for Optical Connectors"The 15^<th> Annual Meeting of the IEEE Lasers & Electro-Optics Society (IEEE LEOS 2002), Conference Proceedings, Glasgow. ThM4. 736-737 (2002)
-
[Publications] 三田地 成幸: "結晶化ガラスフェルールを用いた端面パラメータ許容量限界を有するPC光コネクタの信頼性"2003年電子情報通信学会全国大会講演予稿集. C-3-20. 160 (2003)