2004 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニクスネットワーク用一活波長変換デバイス実現のための非線形光学ガラスの研究
Project/Area Number |
14550307
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
三田地 成幸 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (40339768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横尾 篤 NTT物性科学基礎研究所, 研究主任
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Keywords | フォトニックネットワーク / 一括波長変換デバイス / テルライト系ガラス / 非線形工学定数 / ポーリング / SHG / THG / 熱ポーリング |
Research Abstract |
昨年度の研究成果を元に、T_eO_260:WO_330:PbO10のガラスサンプルを作製した。組成が同一であるガラスサンプルを2つ用意し、それぞれT-W-P-5、T-W-P-6とした。T-W-P-5のポーリングは、平行板の電極を用い、また電極とガラスサンプルの間にカバーガラスを挟んで行った。次に、分極形成の最適化をねらい、T-W-P-6では、針状電極を用い、カバーガラスを排除してポーリングを行った。 東京農工大学の渡辺助教授の下に赴き装置をお借りして、SHGの測定を共同で行った。測定法は、回転させたガラスサンプルにYAGレーザ(1.064μm)を照射し、応答光からSHG強度を測定するメーカーフリンジ法である。SHG測定の結果、複数の点からSHG応答が初めて得られた。今回、SHG応答が得られたことにより、テルライト系ガラス試料に二次非線形性を誘起することに成功したことが確認できた。電極を針状としたことで、検出SHG強度は増大しており、また、電界分布範囲が拡大したため比較的広範囲に分極を形成することができた。今回作製したサンプルの屈折率、厚さ等のデータより、ある程度の誤差を含むが、二次非線形定数d_<33>、d_<31>を算出できた。測定した4箇所の各点の、二次非線形定数は16〜54pm/Vに分布し、最も高い点では、二次非線形定数は54pm/Vとなった。これは、代表的な二次非線形材料であるKDP(0.4pm/V)や、UREA(1.34pm/V)よりも大きく、ガラス材料としてはかなり高い値である。しかし、分極形成が一部分に偏っており、良好なフリンジパターンが得られていないため、算出した値は必ずしも厳密な値とはいえない。今後、分極の均一化について検討し、正確な二次非線形定数を算出する必要がある。6月提出の最終報告に向け、厚さの異なる試料で再ポーリング、再測定を行い、9月開催の応用物理学会やヨーロッパでの材料系国際会議に発表予定で進めている。
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Research Products
(6 results)