2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550308
|
Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
斉藤 幸喜 帝京科学大学, 理工学部, 助教授 (60225703)
|
Keywords | ZnO / Atomic Layer Growth / Sapphire substrate / GaN template |
Research Abstract |
まず、サファイア基板上にZnO薄膜の原子層成長を試みた。この結果、基板温度206〜267℃の範囲でZnO薄膜が原子層成長することを明らかにした。また、原料の流量を変化しても、ある範囲では自己停止機構により、原子層成長条件が保たれることが分った。しかし、サファイア基板とZnO単結晶の間には18%もの大きな格子不整合が存在するため、成長したZnO薄膜の結晶性は、デバイス応用上不十分なものであった。 この問題を解決するために、GaNテンプレート上へのZnO薄膜の原子層成長について検討した。ZnOとGaNの格子不整合は1.8%と、サファイア基板に対する格子不整合より1桁小さいため、GaNを基板として用いることにより、ZnO薄膜の結晶性向上が期待できる。ここでは、サファイア基板上に成長したGaN薄膜をZnO結晶成長用のテンプレートとして用いた。RHEED観察では、c面サファイア基板上に直接成長したZnO薄膜についてはスポットパターンであったのに対して、GaNテンプレート上に成長したZnO薄膜ではストリークパターンが観測された。X線回折測定では、c面サファイア基板上のZnO薄膜は(0002)の回折ピークに加え、(10-11)の回折ピークが観測されたのに対し、GaNテンプレート上のZnO薄膜では(0002)の回折ピークのみが観測された。また、X線ロッキングカーブ測定の半値幅(FWHM)は約5°から約0.1°へと大幅に減少した。PL測定ではバンド端発光のみが観測され、半値幅は18.7meVから16.1meVへ減少した。これらの結果より、GaNテンプレートがZnO薄膜の結晶性を向上するのに有効であることが分った。
|