2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550308
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
斉藤 幸喜 帝京科学大学, 理工学部, 助教授 (60225703)
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Keywords | ZnO / ALE / MOCVD / N-doping |
Research Abstract |
本年度は、モノメチルヒドラジン(MMHy)を使用した窒素(N)ドープZnO薄膜の結晶性について詳細な評価を行った。Raman測定により、MMHyを用いてドーピングしたサンプルにおいて、NのLocal Vibrational Mode(LVM)が観測され、ZnO薄膜中にNが取り込まれていることが分った。しかし、as grownのサンプルは電子密度1×10^<16>cm^<-3>のn型を示し、Nが活性化していないと考えられるため、酸素雰囲気中高温アニールによる活性化を行った。この結果、700℃でアニールを行ったサンプルは電子密度2×10^<15>cm^<-3>のn型を示し、一部のNが活性化したと考えられる。さらに、800℃でアニールしたサンプルでは、C-V測定により正孔密度2×10^<15>cm^<-3>のp型伝導を示した。 しかし、RamanスペクトルにおけるNのLVMピークが減少したことから、高温アニールにより一部のNがZnO薄膜中から離脱していることが明らかとなった。特に、アニール温度を900℃まで上昇してしまうと、ほとんどNのLVMピークが観測されないことから、900℃アニールにおいてはほとんど全てのNが膜中から離脱してしまうことが分った。 さらに、低温フォトルミネセンス測定を用いてNドープZnO薄膜の光学的特性を評価したところ、as grownおよび700℃でアニールしたサンプルでは、3.372eVの中性ドナー束縛励起子(D^0X)による発光が支配的であったが、800℃以上でアニールしたサンプルにおいては、3.332eVに中性アクセプタ束縛励起子(A^0X)による発光および3.252eVにドナー・アクセプタペア(DAP)発光が観測されたことから、一部のNがアクセプタとして働いていることが確認された。 以上の結果から、MMHyを用いてNドープZnO薄膜を成長し、800℃でアニールすることにより、p型ZnO薄膜が実現できたと考えられる。
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