2002 Fiscal Year Annual Research Report
高速応答・高感度pn接合温度センサ搭載マイクロヒータとその応用に関する研究
Project/Area Number |
14550328
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
木村 光照 東北学院大学, 工学部, 教授 (10048811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 文彦 東北学院大学, 工学部, 助教授 (70171139)
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Keywords | 温度センサ / 湿度センサ / pn接合ダイオード / シリコン / マイクロヒータ / 熱型センサ |
Research Abstract |
Siのマイクロマシン技術を用いて、マイクロエアブリッジ上に、Si拡散抵抗による高温まで安定な面発熱マイクロヒータと高感度pnダイオード温度センサとを一緒に搭載する、新しいタイプの加熱可能な温度センサを提案し、次のような実験と結果を得た。 1.マイクロエアブリッジ構造を形成するための各種エッチング、特に電極としてAl(1%Si)を使用するときのヒドラジン溶液へのSiの添加量とその耐性の評価をおこなった。 2.P型とn型SOI基板における拡散抵抗マイクロヒータの抵抗値の評価と各種スパッタリング金属電極膜形成と評価を行った。 3.pn接合ダイオード順方向で低温側温度センサとして、液体窒素温度(約-200℃)から150℃まで、高温側温度センサとして逆方向電流の温度依存性を利用して、150℃から500℃程度まで、温度Tの逆数とほぼ対数的に直線的電流変化が得られた。したがって、一個のpn接合ダイオードで、-200℃から500℃程度程度まで、バイアス印加の調整で極めて高感度なサーミスタ的絶対温度センサが実証された。 4.絶対湿度センサの試作とその動作確認を行い、150℃以下であれば周囲の雰囲気温度に依らない絶対湿度センシングを実証した。 5.試作した絶対湿度センサで、pn接合ダイオード温度センサと拡散抵抗薄膜ヒータとの組み合わせによるフィードバック系で一定温度維持制御回路の検討と試作を行い、試作したセンサは主にマイクロエアブリッジの熱時定数で応答速度が決まり、それでも16msec程度の速い応答で、安定動作であることが実証された。 なお、この成果は、Pacific Rim. MEMS2002 (Xiamen, China)、ISHM2002 Taiwanおよび国内の各種学会講演で報告した。 また、高感度の湿度センシング方法および更に200℃以上の周囲温度でも使用できる方式を見出し、現在、特許準備中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mitsuteru Kimura, Katsuhisa Toshima: "Thermistor-Like PN Junction Temperature-Sensor with Variable Sensitivity and its Combination with a Micro-Air-Bridge Heater"Proc. Pacific Rim Workshop on Transducers and Micro-Nano Technologies. 417-420 (2002)
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[Publications] Mitsuteru Kimura, Katsuhisa Toshima: "Absolute-Humidity Sensor Using a Combination of a Diode-Thermistor and a Micro-Air-Bridge Heater"Proc. 4^<th> International Symposium on Humidity and Moisture. 595-600 (2002)
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[Publications] Mitsuteru Kimura: "Thermal Micro-Sensor"ULVAC. No.43. 18-20 (2002)
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[Publications] 木村光照: "IC化可能な可変感度サーミスタの提案"次世代センサシンポジウム. 41-45 (2002)
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[Publications] 藤原茂美, 菊地和也, 豊島克久, 木村光照: "ダイオードサーミスタ搭載マイクロヒータの特性とその応用"応用物理学関係連合講演会予稿集. 403 (2002)
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[Publications] 阿部拓二, 山口日出男, 菅原文彦, 大沼幸一: "2重拡散プロセスシミュレーション手法に関する考察"東北学院大学工学部研究報告. 第37巻・第2号. 3-7 (2003)