2002 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴トンネル素子を用いた超高速バンドパス型ΔΣ変調器
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14550330
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
和保 孝夫 上智大学, 理工学部, 教授 (90317511)
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Keywords | 共鳴トンネル / ΔΣ変調器 / バンドパス / 論理回路 / Sパラメタ / 量子現象 / 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
1.ΔΣ変調器の設計 超高速バンドパス型ΔΣ変調器への適用を目的として、簡素な回路構成を特徴とする差動型共鳴トンネル機能回路を考案した(従来はシングルエンド型であった)。InP系材料を用いた共鳴トンネルダイオード(RTD)と化合物半導体素子(HEMT)を組み合わせて回路を設計し、SPICEシミュレーションにより10GHz動作の可能性を実証した。更に、これを量子化器として組み込んだ完全差動型連続時間方式ΔΣ変調器を構成し、4GHzクロック動作におけるノイズシェイピング特性を確認できた(シミュレーション)。 一方、高分解能化に適したマルチビット方式ΔΣ変調器における内部DACの非線形性救済手法に関する基礎検討として、複数のアルゴリズムに対して方式レベルの解析を進めた。また、CADツールを利用した論理合成、論理検証・レイアウト設計を行い、トランジスタレベルの寄生効果を含めた動作速度評価を行った。 2.共鳴トンネルダイオード(RTD)の素子モデル 量子井戸への電荷蓄積など、既存の素子モデルには含まれていない量子現象を等価回路的に素子モデルに組み込むことを目的として、ネットワーク・アナライザ(今期購入)を用いた高周波Sパラメタ測定から素子モデルパラメタの抽出を行った。今回は特に外部パッドに起因する寄生効果の除去方法を工夫して、電荷蓄積によるRTD容量特性を明確に抽出できた。更に、得られた素子モデルをRTD機能回路シミュレーションに適用し、新たに得られた効果が回路動作速度低下の原因となることをつきとめ、今後の回路設計における素子モデル構築の重要性を明らかにできた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松浦浩二, 和保孝夫: "連続時間Gm-CバンドパスΔΣ変調器の設計"電子情報通信学会論文誌C. J86-C, No.5(印刷中). (2003)
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[Publications] T.Waho 他: "An Impact of Introducing Multi-Level Signals to a Bandpass Cascaded Delta-Sigma Modulator"Proc. of the 32nd IEEE International Symposium on Multiple-Valued Logic. 61-66 (2002)
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[Publications] 丸 武雄, 和保孝夫: "差動型共鳴トンネル論理回路の設計"電子情報通信学会、多値技報. MVL-03, No.1. 39-44 (2003)
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[Publications] T.Waho: "Multi-GHz Multilevel Circuits using Resonant-Tunneling Diodes"Proc. 2002 International Symposium on New Paradigm VLSI Computing. 56-59 (2002)
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[Publications] 辻 裕樹, 山田英明, 和保孝夫: "共鳴トンネルダイオードを用いたフラッシュADC:2値と多値の比較"多値論理研究ノート. 25巻、No.6. 1-8 (2002)
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[Publications] 辻 裕樹, 山田英明, 和保孝夫: "RTDを用いた超高速フラッシュADCの設計"電子情報通信学会、信学技報. ED2002-283. 13-16 (2003)