2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550339
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Research Institution | KINKI University |
Principal Investigator |
岡田 和之 近畿大学, 工学部, 助教授 (70177046)
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Keywords | 発光素子 / 有機薄膜 / ディスプレイ |
Research Abstract |
平成14年度には,有機EL素子の端面から放射される光のスペクトル,放射分布,偏光特性について調べた.本年度は,発光面サイズならびに発光波長を変化させて端面放射光の放射分布,偏光特性に及ぼす影響に着目し,実験・検討を行った. (1)発光面サイズの放射分布に及ぼす影響 発光面サイズが6mmの時は端面方向から40度の方向に強く光が放射されていることが昨年度の研究で判っている.発光面サイズを1から9mmの間で変化させて端面放射光の角度分布を測定した結果,発光面サイズが小さくなるにしたがい強く光放射が起こる方向が大きな角度領域に移ることが判った.特に,発光面サイズが6mm以下の領域で顕著であった.これらの実験結果は,昨年度行ったガラス基盤中での光伝搬特性の考察をもとにしたシミュレーションと定性的に合致した. (2)発光波長の放射分布に及ぼす影響 有機層に添加する色素を変えて発光色を黄色領域とし,放射分布を測定した.昨年度の緑色領域の発光の場合に較べて,強く光放射する角度が小さくなる傾向が伺われた.発光波長が変わると有機層,ITO電極層,ガラス基盤の屈折率が変化する.この屈折率変化が素子中での光伝搬に影響し,端面放射分布に変化をもたらしていると推測される. (3)発光波長の偏光特性に及ぼす影響 緑色発光素子の端面放射光は有機膜面に対して垂直方向に偏光した成分が強い.発光波長を青色,赤色に変えて素子を作製して偏光特性を調べたが,緑色発光素子とほぼ同様の特性であった. 本年度得られた放射分布,偏光特性は,昨年度の実験結果と併せて,より特徴的な光放射を実現する素子の設計に役立つと考える.
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