2004 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波帯を用いた超高速・高移動速度・高信頼マルチメディア無線データ通信方式の研究
Project/Area Number |
14550355
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩波 保則 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40144191)
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Keywords | ターボ等化器 / 軟判定系列推定 / MIMO通信 / 高速無線データ通信 / フェージング推定 / ミリ波帯通信 / マルチパス通信路 / LDPC符号 |
Research Abstract |
ミリ波帯を用いた超高速ビット速度移動体無線データ伝送方式にとっては、マルチパス伝送路による遅延波の重畳の影響を受けないディジタル変復調方式の構築が最も重要である。マルチキャリア伝送方式の採用によりシンボル速度を低減し、最大遅延時間を数シンボル時間までに収めることができる。今年度は、提案する変復調システムとして、1)低密度パリティーチェック符号(LDPC)化変調ターボ等化送受信方式を検討した。すなわちLDPC符号化ターボ等化方式において内部のISI等化器の構成を変化させ、その特性を計算機シミュレーションにより評価した。ISI等化器には、トレリス線図をベースとした等化器として従来方式のSOVA、GVA、Mアルゴリズム及び提案方式の4種類の等化アルゴリズムと、トレリスを用いない方式としてMMSE基準ソフトキャンセラの5種類の方式を検討した。また別の提案変復調システムとして、2)複数の送信・受信アンテナを用いたMIMOシステムにおいて、LDPC符号化を用い誤り訂正符号化を行う方式を提案した。すなわちMIMO通信路におけるLDPC符号化空間多重通信方式に関し、受信機の多重化キャンセラーとLDPC復号器による繰り返し復号方式につき検討を加えた。受信機側では,多重化キャンセラー出力の軟値情報をLDPC復号器に受渡し、またLDPC復号器出力のより精度の高い軟値情報を多重化キャンセラーにフィードバックして反復キャンセル及び復号を行い誤り率特性の改善を図った。このシステムつき,多重化キャンセラーのアルゴリズムである,逐次干渉除去キャンセラー法(SIC)、並列干渉除去キャンセラー法(PIC)、ソート付きQR分解法(SQRD)、最尤判定法(MLD)及び球内復号法(SD)の性能比較を行った。さらに3)FFTを用いたマルチパイロット化フェージング補償方式に関する検討も行った。すなわちFFT (Fast Fourier Transform)を用いたPSAMをマルチパスフェージング補償方式に拡張し、さらにパイロットシンボルを用いてフェージング変動速度と遅延波数を推定することによって推定効率と補償特性を改善させる適応補償方式についての検討を行った。さらに4)周波数選択性マルチパス通信路における多周波FSKエネルギー検波系列推定方式の研究も行い、16周波を用いた周波数ホッピング系列推定方式を提案し、大きな周波数ダイバーシティー効果が得られることを確認した。このようにマルチメディア伝送用超高速ディジタル変調方式の理論構築及びシミュレーション実験を進め、トータルなディジタル無線変復調システムとしての性能をより詳細に評価した。平成16年度に得られた成果は、IEEEの国際会議や電子情報通信学会専門研究会などで発表した。
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Research Products
(6 results)