2003 Fiscal Year Annual Research Report
通信・放送融合型情報ネットワーク構築のためのUHF帯電波伝搬特性の研究
Project/Area Number |
14550361
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
生越 重章 香川大学, 工学部, 教授 (00304577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 正博 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (30316137)
吉田 彰顕 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (50316139)
秦 正治 岡山大学, 工学部, 教授 (50335577)
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Keywords | 通信放送融合型情報ネットワーク / 電波伝搬特性 / UHF帯 / 移動通信 / 奥村-秦式 |
Research Abstract |
15年度は、前年度に整備した測定系を用いて走行実験を行い、屋外を中心としたUHFテレビ放送帯電波伝搬特性を明らかにした。以下に主な検討内容と結果を示す。 (1)走行実験 屋外測定エリア(市街地:岡山・広島、郊外地:高松・岡山、丘陵地:広島・岡山・高松)を自動車で走行しながら、一定時間間隔で受信レベルを測定した。測定データは、GPSに基づく受信点位置情報(経度・緯度)と対応づけてハードディスクに記録した。なお、広島地区では屋内測定も並行して実施したが詳細は省略する。 (2)データ処理 ・受信レベルおよび受信点位置情報と、UHF帯テレビ放送局の送信アンテナの指向性パターンおよびゲイン、受信アンテナの指向性パターンおよびゲインから、放送局からの距離に対する伝搬損失を算出した。 ・上記伝搬損失について、距離100m内の移動平均をとったものを伝搬損失距離特性とした。 (3)測定結果 [市街地]平均建物高と送信アンテナ高との関連で見通伝搬の影響が大きく、伝搬損失は、移動通信で用いられる奥村-秦式より10dB程度小さい。伝搬定数は、3.1(岡山)、2.3(広島)で、奥村-秦式の2.8とほぼ一致する。 [郊外地]送信アンテナ高が大きいことによる見通伝搬が顕著であり、伝搬損失は、奥村-秦式より10dB程度小さい。高松では変動幅が10〜20dB程度と大きい。伝搬定数は、3.9(高松)、6.5(岡山)であり、奥村-秦式の2.8より大きい。 [丘陵地]伝搬損失は奥村-秦式とほぼ一致する。伝搬損失の変動幅は20〜30dB程度と大きい。伝搬定数は、2.4(広島)、7.3(岡山)、7(高松)であり、岡山、高松では奥村-秦式の2.8より大きい。 固定送信・固定受信を前提としたUHFテレビ放送帯を用いた通信・放送融合型情報ネットワークの構築においては、上記結果を考慮したシステム設計を行う必要がある。 ※上記結果については、国際会議等で口頭発表するとともに、次年度以降雑誌論文として公表する予定である。
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