Research Abstract |
本研究では,効率的に情報サービスを提供できるための新たなプラットフォームとして,通信・放送融合型情報流通プラットフォームを提案した.本提案プラットフォームでは,サーバーから利用者への広帯域なダウンロードリンクには,現在デジタル化が進められている,地上波放送メディアの470MHz〜770MHzを利用し,UHF帯周波数を用いた構成となっている.本提案プラットフォームを実現するために,本研究では,その要素技術として,主に,UHF帯,特に470MHzから770MHzの屋外,屋内モバイル環境における電波伝搬特性の測定を行い,さらに,本プラットフォーム上での高効率な情報配信制御方式についてシミュレーションにて検討を行った. 電波伝搬特性の測定では,GPSと受信機を組み合わせ,車をベースに移動型電波測定器を構築し,屋外環境における電波の測定と,かつそのときの位置情報を測定することを可能とし,得られた測定データより,広島市近郊における受信電力の分布マップを作成した.これにより,3次元地形図データによってシミュレーションされる基地局からの見通し可能なエリアと,電波受信レベル強度との間に,大きな相関があることが判明した.さらに屋外から電波が侵入する屋内環境では,マルチパス環境となり,ダイバーシチ受信することによって,受信レベル変動を大きく改善できることを明らかにした. また,情報配信制御方式では,空間に拡散する電波の特徴を考慮して,一つの信号で,複数の利用者に情報を配信できる無線マルチキャストの検討を行い,基地局のカバーするゾーン半径を考慮した無線マルチキャストの適用効果を定量的に明らかにした.また,ユニキャスト情報の混在した場合のマルチキャスト配信への影響を検討し,新たに容量制御方式を提案し,その有効性を示した.
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