2003 Fiscal Year Annual Research Report
動き補償と波形符号化を統合した動画像符号化方式に関する研究
Project/Area Number |
14550376
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松田 一朗 東京理科大学, 理工学部, 講師 (70287473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 晋 東京理科大学, 理工学部, 教授 (00147513)
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Keywords | 動画像符号化 / 動き補償予測 / 波形符号化 / 反復型動き補償 / オーバラップ動き補償 / matching pursuits / Gabor基底 / 任意形状領域動き補償 |
Research Abstract |
本年度は,提案方式の核となる符号化技術の改良を中心に検討を加え,総合的な符号化性能の改善を図った.以下に主な検討項目とその成果を示す. 1.反復型動き補償予測の効率化 前年度に開発した反復型補償方式は,局所的な動き補償の反復によって予測画像の品質を徐々に改善する手法であり,後述のmatching pursuitsと共に提案方式の中核をなす技術である.本年度は動き補償が適用されるブロック境界で発生する歪の除去を目的としたオーバラップ動き補償や,複数の参照フレームを適応選択することで予測効率を改善するマルチフレーム動き補償の技術を導入し,再生画像の品質を1dB程度改善することに成功した. 2.Matching pursuitsに使用する基底関数の検討 Matching pursuitsは,反復的に選択される基底の線形結合によって信号を近似する手法である.動画像符号化に応用する場合,動き補償の残差信号の性質に適合した基底関数を用意することが,符号化効率の観点から重要となる.本年度は,これまで一般的に用いられたGabor基底のパラメータをフレーム毎に修正する方法や,斜めの輪郭成分に適した基底の導入について検討を加え,符号化効率の更なる改善を図った. 3.任意形状領域動き補償に関する検討 被写体の形状に即した領域単位に動き補償を適用する技術が近年注目を集めているが,一般には領域形状の伝送レートが増大するという問題があり,符号化効率の点で既存方式を上回る性能は得られていない.本検討では符号化済みの参照画像を領域分割の対象とし,更に反復型補償の技術を組み合わせることで符号化性能を大幅に改善できることを示した.
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[Publications] 鈴木 真吾: "オーバーラップMCとMPを反復する動画像符号化 -マルチフレームMCの導入-"第2回情報科学技術フォーラム(FIT 2003)講演論文集. 213-214 (2003)
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[Publications] 村上 真一: "任意形状領域MCとMPを反復する動画像符号化"第18回画像符号化シンポジウム(PCSJ 2003)予稿集. 21-22 (2003)
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[Publications] 岡田 光弘: "オーバーラップMCとMPを反復する動画像符号化 -斜め方向のテクスチャに適した可分型基底の導入-"第18回画像符号化シンポジウム(PCSJ 2003)予稿集. 69-70 (2003)
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[Publications] 佐々木 啓人: "MCとMPを反復するカラー動画像符号化に関する一検討"2003年映像情報メディア学会冬季大会講演予稿集. No.6-6 (2003)
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[Publications] 相原 達也: "オーバラップMCとMPを反復する動画像符号化 -斜め方向のテクスチャに適した回転基底の導入-"2004年電子情報通信学会総合大会講演論文集. No.D-11-42 (2004)
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[Publications] 吉村 圭人: "オーバラップMCとMPを反復する動画像符号化-MCのブロック形状に関する検討-"2004年電子情報通信学会総合大会講演論文集. No.D-11-43 (2004)