2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550385
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
杉本 末雄 立命館大学, 理工学部, 教授 (70093424)
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Keywords | GPS / GPS精密測位 / 搬送波位相積算値 / カルマンフィルタ / H無限大フィルタ / 整数値バイヤス / ガリレオ計画 / ラムダ法 |
Research Abstract |
本年度の研究目標は, (1)GPS多重搬送波位相信号による測位アルゴリズムの開発 (2)室内利用可能なGPS測位システムについての考察 である。 以上の(1)に関しては、GPSおよび欧州のガリレオ本計画実現時を想定して,多重の搬送波位相積算値を用いた相対測位アルゴリズムをシステム論的に確立することである。このときの整数値アンビギュイティ(整数値バイアス)の推定問題を精度よくまた,計算処理時間を短縮できるアルゴリズムの開発にかかっている。 本年度は、多重の搬送波位相積算値を用いた、移動体に対するGPS測位アルゴリズム(キネマチック測位アルゴリズム)を導出した。このアルゴリズムは、H無限大フィルタおよび拡張カルマンフィルタを適用し、整数値バイヤスの推定にはラムダ法を適用したものであり、キネマテック測位では移動体の動的数学モデルの同定が重要であることを指摘した。またこの具体的な計算処理アルゴリズムのソフトウエアも作成し、実際のGPS搬送波位相積算データを用いることにより推定精度の確認を行い、良好な結果を得た(米国ION-GPS2002で発表)。 また、多重GPS搬送波を用いる場合の特徴としてワイドレーンを用いる整数値バイヤスの推定方法についても考察を行い、種々の知見と成果を得た。 (2)に関しては,室内での利用可能なGPS測位システムを信号処理のレベルで可能か,あるいは,あらたな送受信システム構築により可能かについての調査研究を行った。室内GPS測位については、某国内メーカがあらたに受信機レベルの信号処理技術により、室内でも受信可能な受信機の開発に成功したことが判明した。受信方式は、微弱GPSコードを繰り返し反復受信することにより増幅器の熱雑音の影響を軽減化し、SN比を向上をはかり超高感度にGPSコードを解読するものである。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 杉本 末雄, 久保 幸弘, 熊谷 秀夫: "GPS測位アルゴリズムと推定・検定理論"システム制御情報. 第46巻第5号. 276-285 (2002)
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[Publications] S.Maruo, Y.Kubo, C.Uratani, R.Hata, S.Sugimoto: "Kinematic Carrier Phase Differential GPS Positioning by Applying the H∞ Filter"Proc. of the Institute of Navigation ION GPS-2002. 1842-1849 (2002)
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[Publications] T.Numajima, M.Kihara, Y.Kubo, S.Sugimoto: "INS/DGPS/VMS Integration for In-Motion Alignment"Proc. of the Institute of Navigation ION GPS-2002. 556-564 (2002)
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[Publications] 熊谷 秀夫, 久保 幸弘, 木原 雅人, 杉本 末雄: "DGPS/INS/VMSを統合した高精度車両位置計測アルゴリズム"日本写真測量学会誌. 第41巻第4号. 77-84 (2002)
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[Publications] 杉本 末雄, 久保 幸弘: "搬送波位相による測位法での整数値アンビギュイティの推定と検定"日本航海学会GPSシンポジウム2002. 227-256 (2002)
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[Publications] 関 敏一, 沼島 徹, 久保 幸弘, 木原 雅人, 熊谷 秀夫, 杉本 末雄: "DGPS/VMS/INS複合航法システムを用いた移動アライメント"日本航海学会GPSシンポジウム2002. 123-134 (2002)
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[Publications] 杉本末雄: "ラプラス変換から伝達関数,藤井隆雄編「制御理論」第2章,pp.9-33"コロナ社. 25 (2002)