2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14550385
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
杉本 末雄 立命館大学, 理工学部, 教授 (70093424)
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Keywords | GPS測位 / 整数値バイアス / 搬送波2重位相差 / カルマンフィルタ / サイクルスリップ / 非線形フィルタ / GPS / INS複合航法 / イノベーション過程 |
Research Abstract |
GPS測位アルゴリズムについて、本年度得られた研究成果は、以下の3点にまとめられる。 (1)現時点で、我が国で受信可能なL1,L2帯(2重)のGPS搬送波位相データとC/Aコードによる擬似距離を用いて、未知局・既知局間、GPS衛星間での、搬送波位相および擬似距離データの2重差を計算することにより、ほぼ(約95%の確率で)1エポックのデータのみで、整数値バイアスをFix(決定)でき、測位誤差が数cm程度内である測位アルゴリズムを導出し、実データによる実験的な検証も行った。近い将来の欧州連合によるガリレオ衛星および米国の新GPS衛星構想による多くのGPS/GNSS衛星の出現時に、より多く(多重)の周波数帯での電波を受信可能となり、本研究で導出した相対測位アルゴリズムを用いると、本研究で得られている現状での結果より、なお精度よく、かつすばやく(リアルタイムで)精密な測位が可能であることを示している。また、実時間、キネマテック(移動)GPS測位では、移動物体の動的な数学モデルが必要であるが、速度についての1次マルコフ過程モデルが、陸上車両に対するよいモデルであることを、シミュレーション実験および実データにより検証を行なった。 (2)GPS測位と慣性航法(INS:Inertial Navigation System)との高精度の複合航法アルゴリズムを導出した。特に、モンテカルロタイプの非線形フィルタを適用し、実用性の見地から実時間処理が可能でありかつ精度の高い複合航法アルゴリズムであることを、実データにより検証を行った。 (3)実用的なGPS測位法の確立のためには、電波の電離層遅延の推定、またサイクルスリップの検出と除去の問題がある。サイクルスリップの検出のために、確率システム理論での、故障検知の手法が適用できることを示し、GPS測位アルゴリズムで用いられるカルマンフィルタでのイノベーション過程に注目し、その平均値、分散値の変動を統計的仮説検定理論を適用して、サイクルスリップの検出を行なう手法を導いた。その有効性を、実データにより検証した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 熊谷秀夫, 久保幸弘, 木原雅人, 杉本末雄: "自立型水中航走体における高精度複合航法システム"電気学会論文誌C部門誌. 123巻・4号. 777-785 (2003)
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[Publications] R.Hata, K.Sone, Y.Kubo, S.Sugimoto: "Carrier Phase Differential GPS with Ionospheric and Tropospheric Delay Estimation"Proc.of the 34th ISCIE Int.Symp.on Stochastic Systems Theory and Its Application, Fukuoka, Kyushu, Japan. 119-124 (2003)
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[Publications] T.Numajima, N.Asaoka, M.Oiwa, S.Sugimoto: "Nonlinear Filtering Methods in INS/GPS Alignment"Proc.of the 34th ISCIE Int.Symp.on Stochastic Systems Theory and Its Application, Fukuoka, Kyushu, Japan. 125-130 (2003)
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[Publications] N.Asaoka, M.Oiwa, M.Tanikawara, T.Numajima Y.Kubo, Sueo Sugimoto: "Nonlinear Filtering Methods for INS/DGPS In-Motion Alignment"Proc.of the Institute of Navigation ION GPS/GNSS 2003, Portland, Oregon, USA. 945-956 (2003)
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[Publications] C.Uratani, K.Sone, Y.Mutoh, S.Maruo, S.Sugimoto: "Dynamical Models for Carrier-Phase Kinematic GPS Positioning"Proc.of the Institute of Navigation ION GPS/GNSS 2003, Portland, Oregon, USA. 809-818 (2003)
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[Publications] K.Sone, Y.Mutoh, Y.Kubo, S.Sugimoto: "Cycle Slips Detection in GPS Positioning Based on Statistical Tests of Innovation Processes"Proc.of the 35th ISCIE Int.Symp.on Stochastic Systems Theory and Its Applications, Ube, Yamaguchi, Japan. (投稿中). (2004)