2004 Fiscal Year Annual Research Report
衛星回線における降雨時のネットワーク動作特性とデータ伝送効率に関する研究
Project/Area Number |
14550388
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Research Institution | OSAKA ELECTRO-COMMUNICATION UNIVERSITY |
Principal Investigator |
前川 泰之 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (30181572)
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Keywords | 衛星通信回線 / 降雨減衰 / 累積時間率分布 / 継続時間 / サイトダイバシティ / Ku帯 / Ka帯 / サテライトダイバシティ |
Research Abstract |
平成16年度は、降雨時の衛星通信回線のネットワーク動作特性について、平成14年度から引き続き、方位角が約30°離れた3衛星間でのサテライトダイバシティ効果と、20〜50km距離が離れた数地点間におけるサイトダイバシティ効果について、測定値に基づく数値実験的な評価より総合的に検証を行った。測定地点としては、本学(寝屋川)と本学から北東に18km離れた京都大学宇治構内、および約42km東方の同信楽MUレーダーサイトを選び、SCC(スーパーバード)およびBS電波受信装置をそれぞれ設置してKu帯衛星電波の降雨減衰同時の累積発生時間率分布について2003年から2004年のほぼ2年間にわたって蓄積された各測定点のデータから評価を行った。一方サテライトダイバシティに関しては、本学でSCC、N-STAR、およびBS電波を同時に測定したデータを用いた。その結果、Ku帯において1地点では年間時間率0.1%程度発生する3〜4dB程度の減衰量は、2地点間でサイトダイバシティによる切替え受信を行うことにより、ほぼ0.01%以下に減少させることが可能であることが示された。また上記の3地点間での減衰発生の時間差から雨域の移動速度と移動方向の推定い、2003年から2004年の2年間に得られた約100例の降雨事象について、天気図での前線や低気圧等の移動速度や方向と比較を行った結果、両者の間に0.9を超える良い相関があり、数十km程度の距離では前線とほぼ垂直な方向へ雨域が全体的に移動していることが、本測定により実証された。また年間累積時間率に見られるサイトダイバシティ効果を前線通過方向別に検証した結果、統計的に前線と垂直な通過方向に2局が配置するほどその効果が上がることが示された。また、サテライトダイバシティの伝搬路の差により効果についても同様の傾向が認められた。
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