2002 Fiscal Year Annual Research Report
超高品質薄膜堆積プラズマ評価用エバネセントレーザ分光診断システムの開発
Project/Area Number |
14550407
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 善行 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70301942)
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Keywords | レーザ分光 / エヴァネセント波 / 薄膜堆積 / レーザアブレーション / 励起粒子密度 / プラズマ診断 / ラジカル密度 |
Research Abstract |
本年度は主に以下の3つの測定を行なった。 I)レーザ吸収、発光、基板表面でのエバネセント波(EW)の各分光手法による化学気相堆積(CVD)プラズマ診断 結論として、薄膜中の炭素結合sp^3/sp^2比は雰囲気圧力10TorrかつCH密度が低いときに最大になることに成功した。 (1)基板表面におけるAr準安定励起原子のEW検出 (2)実験パラメータを変化させてCVD-誘電体バリア放電(DBD)プラズマ中Ar準安定励起原子密度を測定した。約10^<12>cm^<-3>という結果となった。 (3)発光スペクトルの計測と化学光量測定によるCH密度の計算(CH数密度は〜10^9^cm<-3>)。 (4)膜中炭素結合sp^3/sp^2比の算出(2.5より高くなった) (5)膜中Hの全数密度の算出(〜10^<22>cm^<-3>) II)窒素ガス雰囲気における炭素レーザアブレーション (1)炭素アブレーションプルーム中におけるレーザ吸収分光を用いて窒素原子密度を測定し、〜10^<11>cm^<-3>という結果が得られた。CNラジカルは発光分光により検出された。 (2)この結果は、膜中sp^3結合炭素を高くするには、窒素ガス中の炭素アブレーションにおいて高密度なC_2やCNが必要であることを示している。真空で得られた膜のsp^3/sp^2比は窒素雰囲気(圧力1Torr、基板-ターゲット間15mm)での結果と比較できるものの、詳細な検討には、基板をさらにターゲット寄り(6mm)に近づける必要がある。 III)DBDにおける管壁表面でのXe(1s_5)測定 (1)直流グロー放電と同様に、エバネセント波を用いた分光法により、成功した。 (2)放電管壁におけるXe(1s_5)密度は10^8cm^<-3>のオーダであった。放電管壁のXe(1s_5)密度はバルクの約100分の1程度で存在することを確認した。 (3)直流グロー放電と同様に、PDで測定したLIFおよびLCIF信号から、それぞれの過程の衝突周波数を求めた。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] M.A.Bratescu, Y.Sakai, D.Yamaoka, Y.Suda, H.Sugawara: "Electron and Excited Particle Densities in a Carbon Ablation Plume"Applied Surface Science. 197-198. 257-262 (2002)
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[Publications] M.A.Bratescu, M.Yanagida, Y.Sakai: "Excitation transfer on a Xe discharge tube wall detected by evanescent wave"Proceedings of Joint Conference ESCAMPIG 16 (European Conference on Atomic and Molecular Physics of Ionized Gases) and ICRP 5 (International Conference on Reactive Plasma). 1. 287 (2002)
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[Publications] M.A.Bratescu, Y.Sakai, Y.Yoshizaki: "Investigation of collisional mixing between Ar(4s[3/2]_<1,2>) and Ar(4s'[1/2]_<0,1>) using optical-optical double resonance absorption spectroscopy"Program of the 55-th Annual Gaseous Electronics Conference, YF14, Minneapolis, Minnesota, October, 2002. 47-7. 75 (2002)
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[Publications] 山岡大祐, M.A.Bratescu, 酒井洋輔, 須田善行: "レーザー吸収分光法によるカーボンプルーム中のArII密度測定"2002年(平成14年)春季 第49回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 29a-D-10. 174 (2002)
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[Publications] 吉崎素直, M.A.Bratescu, 酒井洋輔, 菅原広剛: "放電管壁における励起Xe(1s_5)密度と電子密度・温度との関係"2002年(平成14年)春季 第49回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 30a-D-3. 175 (2002)
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[Publications] 吉崎素直, M.A.Bratescu, 酒井洋輔, 須田善行: "光学二重共鳴を用いたArガスプラズマ中の衝突過程の研究"2002年(平成14年)秋季 第63回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 24a-ZA-11. 97 (2002)
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[Publications] 吉崎素直, M.A.Bratescu, 酒井洋輔, 須田善行: "2光子レーザー吸収分光法におけるArパルスプラズマの診断"2002年(平成14年)電気関係学会北海道支部連合大会講演論文集. No.78. 118 (2002)
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[Publications] 柳田雅紀, M.A.Bratescu, 酒井洋輔, 菅原広剛: "エバネセント波を用いたXe放電管壁における励起遷移レートの測定"平成14年度 電気学会研究会 放電研究会 ED-02-88. 13-18 (2002)
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[Publications] 山岡大祐, M.A.Bratescu, 須田善行酒井洋輔: "カーボンアブレーションプルームの電子、イオン、励起電子密度測定"平成14年度 電気学会研究会 放電研究会 ED-02-89. 19-24 (2002)
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[Publications] M.A.Bratescu, Y.Sakai, M.Yanagida: "Measurement of Xe(1s5)on a Barrier Discharge Wall by Evanescent Laser Spectroscopy"平成15年 第20回プラズマプロセシング研究会 (SPP20) プロシーディングス A3-6. 71 (2003)
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[Publications] 酒井洋輔, M.A.Bratescu, 柳田雅紀: "エヴァネセント波吸収法によるXeプラズマ管壁のXe(1s_5)密度と励起移行に関する研究"平成14年度 第17回 光源物性とその応用研究会資料 LS-02-41, AR-02-10, PE-02-10. 65-74 (2002)
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[Publications] Y.Suda, K.Utaka, M.A.Bratescu, Y.Sakai, T.Kojima: "Formation of carbon nanostructure by pulsed laser deposition"平成15年 第20回プラズマプロセシング研究会 (SPP20) プロシーディングス P1-39. 213 (2003)
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[Publications] 吉崎泰直, M.A.Bratescu, 酒井洋輔, 須田善行: "Ar+CH4混合ガスDBDによるa-C : H薄膜堆積とDBDのレーザ分光診断"平成15年春季第50回応用物理学関係連合講演会, 2 9p-E-1. (2003)