2002 Fiscal Year Annual Research Report
センサ機能を有する圧電アクチュエータの開発に関する研究
Project/Area Number |
14550409
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
今野 和彦 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (60125705)
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Keywords | 圧電素子 / 超音波 / センサ / 変位測定 / アクチュエータ / レーザドップラ |
Research Abstract |
本研究は,(I)圧電センサを用いた変位計測と(II)圧電センサを圧電アクチュエータと一体化したときの動作特性の実験と解析に分けられる.14年度は主としてIの圧電センサを用いた変位計測についての研究を行った. 最初にセラミック製および高分子圧電フィルム製の圧電素子のインピーダンスや容量などの電気的特性,弾性定数,共振特性などの機械的特性および圧電定数などの音響的な特性測定を行なった.次に圧電素子をガラスや金属などの基盤に貼り付けて音波の送受波実験をおこなった.この実験は最初は数MHz帯の周波数の音波を用いて水中で行なった.これは筆者らのこれまでの実験設備を使用できるためと,この周波数帯で空中において超音波を送受することが容易でなかったためある.この段階で位相検波の方法と音波の位相情報の処理について検討を行い直交検波方式と光学分野で用いられる位相シフト法を併用することを考案した. 続いて,同様の実験を空中で行った.空中での超音波送受は現在40kHzおよび200kHzの超音波送受波器を使用して行った.この結果,空中では高周波になるほど送受効率が悪くなりS/Nが著しく低下することがわかりこれが変位計測に影響することが明らかとなった.本研究ではロックインアンプを導入することによりこれらの影響を低減できることがわかり測定精度の大幅な向上が図られた.また,この研究課題で購入したレーザドップラ装置を用いて変位をモニタしながら計測ができるシステムの構築を行った.現在使用している音波の波長の1/1000〜1/100000程度の変位測定が可能となっており,今後効率の良い空中超音波送受波素子の使用によって一層の精度向上を図りたい.
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[Publications] M.Nishihira, M.Kaido, K.Imano: "Experimental determination of Piezoelectric Constants of transversal Effects of PB(Zr,Ti)O3(PZT)Transducer Using Transient Response"Jpn. J. Appl. Phys.. Vol.41,No.5B. 3354-3355 (2002)