2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550412
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内川 恵二 東京工業大学, 大学院・大学院・総合理工学研究科, 教授 (00158776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松宮 一道 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 研究員
横井 健司 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10345374)
金子 寛彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60323804)
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Keywords | 視覚的注意 / 視覚情報処理 / 個人差 / コントラスト感度 |
Research Abstract |
本研究の目的は,各個人の感覚特性,特に現代の情報機器使用の際に重要な特性である視覚的注意に焦点を当て,この個人差の定量化を行い,さらに視覚的注意の個人差を生じさせる機構のモデルを構築することである. 本年度は,まず個々人の視覚的注意特性を定量的に調べるために,認識対象が呈示される視野部位に注意が向いている場合と向いていない場合の対象の検出感度を測定する実験手法及び装置を確立,構築した. 1.実験手法の確立 検出課題としては,視覚情報処理の最も基礎となる特性の一つであり,定量的評価が容易であることからガボール刺激に対するコントラスト感度を測定することとした.これに対し,視覚的注意の強度及び範囲を統制するために,二重リング刺激による中心注意課題を用いることで被験者の注意状態を一定に統制しながら,視覚的注意がかかっている場合とかかっていない場合のコントラスト感度を測定し,両者の比較により視覚的注意の個人差を定量的に評価することが可能となった. 2.実験装置の構築 実験装置については,より精緻なコントラスト感度を測定することは一般的なコンピュータディスプレイでは困難であるため,6面ミラーを用いた長視距離実験ブースを新たに構築することで,最大16cpd (cycle per degree) の精密なガボール刺激を呈示可能とした.なお,一般的なコンピュータディスプレイは経時変化により刺激特性が大きく変化してしまうため,導入した色彩輝度計により随時キャリブレートすることで,長期の実験期間においても刺激の特性を一定に保つことが可能となった. 3.覚的注意特性データの収集 本年度は被験者としてまず3名採用しデータの収集を行った.これにより,ガボール刺激の効果的な実験条件を1,2,4,8,16cpdへと絞り込んだ.また,収集データから被験者間の個人差特性に大きな違いがある可能性が示唆された.
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