2002 Fiscal Year Annual Research Report
複数音源信号の同時分離抽出を実現する適応マイクロホンアレーシステムの構築
Project/Area Number |
14550422
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宇佐川 毅 熊本大学, 工学部, 教授 (30160229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苣木 禎史 熊本大学, 工学部, 助手 (50284740)
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Keywords | 平面状マイクロホンアレー / ブラインド信号処理 / 適応ノッチフィルタ / 同時分離抽出 / 球面波 / ダミーヘッド / 人間の聴覚 |
Research Abstract |
本研究では,特許出願中の設計手法を利用した適応ノッチフィルタとブラインド信号処理(AMUSE法)を利用したマイクロホンアレーシステムの構築することにより,単一システムで複数音源の同時分離抽出を実現することを目的としている。本年度は,コンピュータディスプレイの周囲へ装着することを想定した方形アレーを検討した。コンピュータディスプレイ前の音源の同時分離抽出を想定した場合,平面アレーシステムと音源の距離を考慮し,球面波として取り扱う必要があると思われる。そこで,複数の音源を同時分離するアルゴリズムの平面波モデルと球面波モデルを構築し,その性能を確認した。具体的には,ディスプレイの前0.5mに位置する話者(音源1)と話者とは異なる方向で0.6mの位置に雑音源(音源2)が存在する状況において,球面波モデルの音源方向推定誤差は平面波モデルの場合の結果より話者の音源方向の推定は明らかに良好であった。また,雑音源の方向の推定は誤差があるものの球面波モデルの場合が良好であった。さらに,二人の話者(音源1,2)が同時に発話した状況を想定して分離抽出のシミュレーションを行った。音源1に対して音源2のパワは-5dBに設定した。音源1に関しては平面波モデルにておいては,ブラインド信号分離の段階で9dB,提案手法では8dBであったが,球面波モデルにおいては,それぞれ12dBと14dBに改善され,提案手法の球面波モデルの場合が最も良好な結果が得られた。しかし,適応ノッチフィルタの特性により,低周波数域と2,500Hz付近において減衰が生じていることがスペクトログラムとコヒーレンシーの両者で確認された。更に上記多入力アレーシステムの研究に並行して,2入力のアレーシステムとして,ダミーヘッドマイクロホンを利用したシステムについても研究をすすめ,人間の聴覚を模した高い空間分解能をもつものが構成できつつある。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] 苣木禎史, 永座強, 橋本あゆみ, 宇佐川毅: "ブラインド処理を用いた近傍音場向け平面アレーシステムによる複数音源の分離抽出"電子情報通信学会技術報告. EA2002-54. 17-22 (2002)
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[Publications] 宇佐川毅, 中西崇, 苣木禎史, 中島栄俊, 江端正直: "周波数領域両耳聴モデルを用いた複数音源分離"日本音響学会2002年秋季研究発表会講演論文集. 2-5-9, I. 535-536 (2002)
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[Publications] 中西崇, 中島栄俊, 苣木禎史, 宇佐川毅, 江端正直: "周波数領域両耳聴モデルにおける音源方向推定手法"電気関係学会九州支部連合大会公園予稿集. 547 (2002)
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[Publications] 森永治樹, 中川彰, 苣木禎史, 宇佐川毅: "心理音響モデルを用いた音響信号評価システムの実時間処理化に関する検討"電気関係学会九州支部連合大会公園予稿集. 542 (2002)
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[Publications] 園田哲也, 嶋田浩和, 嶋田泰幸, 宇佐川毅, 江端正直: "三角関数を用いたサブバンド・ブラインド分離法における帯域分割数に関する検討"電気関係学会九州支部連合大会公園予稿集. 545 (2002)
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[Publications] 中川彰, 苣木禎史, 宇佐川毅: "クラスタ計算機を用いた実時間音響信号処理システム構築に向けての検討"電気関係学会九州支部連合大会公園予稿集. 541 (2002)
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[Publications] Tsuyoshi Usagawa, Hidetoshi Nakashima, Yoshifumi Chisaki: "Signal Enhancement using Frequency Domain Binaural Model for Humanoid Robot"Proc. 2002' China-Japan Joint Conference on Acoustics, Vol.1,171-174. Vol.1. 171-174 (2002)
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[Publications] 舩元麻祐子, 苣木禎史, 宇佐川毅: "近傍音場向け平面アレーシステムのクラスタ計算機への実装"熊本県産学官技術交流会資料集. 30-31 (2003)
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[Publications] 佐藤憲史, 中西崇, 中島栄俊, 苣木禎史, 宇佐川毅, 江端正直: "両耳間レベル差および位相差を用いた3次元空間における音源方向の推定"熊本県産学官技術交流会資料集. 32-33 (2003)
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[Publications] Takashi NAKANISHI, Norifumi SATO, Hidetoshi NAKASHIMA, Yoshifumi CHISAKI, Tsuyoshi USAGAWA, Masanao EBATA: "Sound source segregation under reverberant condition using frequency domain binaural model"Proc. 2003' Kyoshu-Youngnam Joint Conference on Acoustics. 129-132 (2003)
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[Publications] 中西崇, 中島栄俊, 苣木禎史, 宇佐川毅, 江端正直: "周波数領域両耳聴モデルを用いた仰角推定の試み"日本音響学会2003春季研究発表会講演論文集. (発表予定). (2003)
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[Publications] 苣木禎史, 舩元 麻祐子, 永座強, 宇佐川毅, 江端正直: "ブラインド処理を用いた平面アレーシステムによる近傍複数音源の同時分離抽出"日本音響学会2003春季研究発表会講演論文集. (発表予定). (2003)
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[Publications] 苣木禎史, 中川彰, 宇佐川毅: "クラスタ計算機による音響信号の実時間処理に関する検討"日本音響学会2003春季研究発表会講演論文集. (発表予定). (2003)