2002 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル高度情報を用いた衛星搭載降雨レーダ地表面エコーの上端位置決定に関する研究
Project/Area Number |
14550425
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Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
阿波加 純 北海道東海大学, 工学部, 教授 (40232079)
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Keywords | TRMM / 降雨レーダ / 地表面エコー / デジタル高度情報 |
Research Abstract |
グローバルな気侯変動の解明に必要な宇宙からの降雨観測は、衛星搭載降雨レーダによって最も定量的で信頼のおけるデータが得られると考えられている。しかし、熱帯降雨観測(TRMM)衛星搭載降雨レーダの観測結果からわかるように、特にチベットやアンデスなどの山岳地帯では、非常に小さな発生確率ではあるが地表面エコーを降雨エコーと誤判定することがあり、レーダ工学上重要な問題となっている。現状のTRMM衛星搭載降雨レーダで地表面エコーを降雨エコーと誤判定する一番の理由は、レーダエコーデータから地表面高度を決定する際に使用している1km水平分解能のデジタル高度情報に大きな誤差が含まれる場合があるためということが判明している。本研究の最終目標は、衛星搭載降雨レーダの観測で地表面エコーと降雨エコーとを高精度で分離し、降雨エコーの下端位置、すなわち地表面エコーの上端位置を決定する手法を開発することであるが、そのためには正確なデジタル高度情報を求める必要がある。幸いなことにTRMM衛星搭載降雨レーダ自体が地表面高度計であり、そのデータを用いて現用のデジタル高度情報に補正をかけてより正確なデジタル高度情報を求めることが可能である。平成14年度は、この正確なデジタル高度情報を求めるための準備として、データ処理環境の整備、データの入手とバックアップの作成、データ処理アルゴリズムの検討と設計を行った。データベースとして、最小でも、地表面高度データ、分散、個数のペアを各グリッドで求める必要があり、水平分解能の大きさにもよるが、全球データのときそれぞれの項目で約1GBという大きな記録領域が必要で、このような大量の処理統計データを如何に効率よく(複数の)データファイルに格納し、今後の解析の読み書きに使用するかという点も研究課題の一つである。
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