2003 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学QCM計測法による化学感覚センシングシステムの開発
Project/Area Number |
14550431
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
江崎 秀 近畿大学, 九州工学部, 助教授 (70185114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯山 悟 近畿大学, 九州工学部, 教授 (80176057)
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Keywords | 化学感覚センサ / 電気化学 / 水晶振動子 / 脂質膜 / 味物質 / 吸着 |
Research Abstract |
14年度は,EQCM計測システムの構築を行った後、本システムが同時に行えるふたつの計測法である電気化学計測とQCM計測の基礎特性を調べた。15年度は、感応膜の形成法として脂質を水晶振動子電極上に物理吸着させる方法を採用したうえで、電気化学計測とQCM計測の組み合わせ測定を行い、味物質、特に苦味物質の吸着過程の高感度検出を試みた。 当初EQCMアナライザによるQCM計測において安定性を欠き,ソフトウェアとセル構造に問題があったが、実験手順、データ処理およびセル材料の変更により対処した。脂質膜を修飾する前に、未被覆の水晶振動子を用い電気化学計測とQCM計測をそれぞれ行い、従来の結果と整合することを確認した。 その後、味物質への感受性が高い感応膜を水晶振動子表面上に安定に形成させる方策を探った。電気化学法の機能を持たないQCMセンサにおいて、微量の脂質を水溶液中に分散し,水晶振動子表面に物理吸着させて脂質膜を形成する方法を試みたところ,苦味物質に対して従来型の脂質高分子薄膜の感度よりも1桁以上の感度向上が得られた。そこで、この物理吸着法により脂質膜を修飾したセンサ素子とEQCMアナライザを用いて電気化学計測とQCM計測の組み合わせ測定を行ったところ、EQCMアナライザの味物質に対する応答がQCMセンサの応答に一致せず、充分な感度が得られなかった。この原因を検討した結果、駆動回路の違いによって、EQCMアナライザでは水晶振動子に緩く吸着した膜や物質には安定な応答が得られないことが判った。 この問題に対し、電気化学法として当初選んだサイクリックボルタンメトリからパルスステップ法に変更した。その結果、目的のひとつであった吸着性の強い苦味物質への選択的な応答が得られた。
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[Publications] 江崎 秀, 飯山 悟: "煎りゴマ抽出液に対する味センサの応答特性"電気学会論文誌. 122-E巻. 374-379 (2002)
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[Publications] S.Iiyama, H.Kuga, S.Ezaki, K.Hayashi, K.Toko: "Peculiar change in membrane potential of taste sensor caused by umami substances"Sensors and Actuators B. Vol.91. 191-194 (2003)