2003 Fiscal Year Annual Research Report
人間型ハンドロボットによる握り反射に基づく物体把持の研究
Project/Area Number |
14550443
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
川崎 晴久 岐阜大学, 工学部, 教授 (40224761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 聡 岐阜大学, 工学部, 助教授 (70291911)
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Keywords | ロボット / 多指ハンド / 触覚センサ / 把持制御 / 握り反射 |
Research Abstract |
ロボットが外部環境の変化に適応し,人間に代わり多種多様な作業を実行するためには,外部環境の情報を獲得する感覚が必要不可欠であり,特に,器用な物体操作を実現するためには,触覚が非常に重要となる.触覚情報を利用すれば,未知形状の対象物も把持することができる. 本研究では,人間型ロボットハンドによる未知形状の物体把持を目的として,触覚情報を利用し,乳児が行う握り反射を模擬した把持戦略を提案し,実験的にその有効性を検証した. 生後約10ヶ月までの乳児は掌に棒を当てると5本の指を屈曲させ,棒を強固に把握し,棒を引き離そうとすると,さらに強固に把握する.これを握り反射と呼ぶ.乳児はこの握り反射により,食べ物や母親の身体の一部等を目の見えない段階でもしっかりと把持する.生存のための必要な反射である.この握り反射は2つの状態からなる. 1)手が物体に接触すると発生する握り動作. 2)物体を引き離そうとすると発生する保持動作. 各指が一様な接触力を物体に作用させる1)の握り動作は,接触点数を最大化し物体を拇指と他の指で包み込むことができ,未知形状物体を把持する可能性をより高くする.ロボットでこの反射を模擬するため,物体がロボットハンドに接触すると,前後屈伸運動する拇指と指の関節2から関節4の能動関節が,各関節に隣接する指先側リンクの接触力が目標値に一致するように独立に制御しすることとし,内外転運動する第一関節は,位置制御するようにした.保持動作では,物体把握を維持するため外力に応じて屈曲・伸展関節を力制御する.本手法は,非常に単純であるが,物体の幾何学的情報を必要とせず3次元の未知物体の把持を可能とする.提案手法の有効性は,リアルタイムOSとGifu Hand IIIを用いた実験システムを構築して実機により確認した.
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Research Products
(1 results)