人間安心化ネットワーク形成機構と人間性志向分散感覚知能システム

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14550450
• Research Institution: Tokyo Metropolitan Institute of Technology
• Principal Investigator: 山口 亨 東京都立科学技術大学, 工学部, 教授 (40251079)
• Keywords: 情報インフラストラクチャ / 知的インターフェイス / バリアフリー / ナチュラルインターフェイス / ヒューマンビークル / 人間安心化ネットワーク

Research Abstract

近年、情報通信技術の急速な進展に伴い、情報インフラストラクチャ整備が進められている。しかし、膨大な情報量に対応する強力で拡張性の高い情報インフラ整備が進み、日々の生活でその恩恵を得る人が増える一方で、病院や家庭内の高齢者・機能障害者(以下弱者と呼ぶ)に代表される、情報技術から疎外され、その恩恵を十分得られていない情報弱者と呼ばれる人々との格差が相対的に進んでいるのも現状である。また、まだ記憶に新しい米国同時多発テロ時の救出時、携帯電話保持により早期救出された人の例より、災害時に携帯情報端末保持が有効に機能する事が実証されているが、また、その一方で携帯電話等の通信局が壊滅してしまうと全く機能しなくなるという弱点がある事を、95年阪神淡路大震災で露呈している。そして、また、前述した機能操作の煩雑さから弱者の携帯情報端末保有率の低さという情報弱者の問題提起がなされる。少子高齢化社会への深刻な進展の中、こうした情報弱者は益々増加するという警鐘が鳴り響く。こうした社会的背景の中、情報バリアフリー・ナチュラルインターフェイスを備え人間を空間的にサポートする人間中心型都市空間の構築は急務である。
本研究(人間安心化ネットワーク形成機構と人間性志向分散感覚知能システム)では、情報インフラの整備された都市空間に生活する弱者を支援する知的インターフェイスを想定し、携帯情報端末(PDA)が、弱者やその支援者への日常時の福祉情報、災害時の緊急情報の相互伝達を可能とするように、PDA利用によるナチュラルな対話機構により、都市に広がる福祉防災PDAに基づく防災サイバー都市の実現、更に、福祉防災PDAを利用したサイバー都市との連携による安全なヒューマン連携型モビリティシステムの実現を目指す。この際、以下の1)、2)、3)について実現し、さらには、1)、2)、3)を統合した全体システムの構築の研究を進めてきた。
1)都市情報をPDAにより集め再構成するサイバー都市と情報再構成機構の研究
2)再構成により得た情報をナチュラルに利用者へ伝える情報バリアフリー・ナチュラルインターフェイスの研究
3)再構成情報を用い、利用者を安全に誘導する人間中心型ヒューマンビークルの研究
以上の課題の実施により、人間安心化ネットワーク形成機構と人間性志向分散感覚知能システムの実現の成果を得た。

Research Products

• [Publications] 山口 亨: "サイバーユニバーシティにおける人間支援エージェントの対話的進化手法"JDLA学術講演会. (印刷中). (2003)
• [Publications] 梅田 大雄: "インテリジェント・スペースを用いた遠隔教育コンテンツ作製システム"JDLA学術講演会. (印刷中). (2003)
• [Publications] 足立, 高梨, 山口: "不完全な情報化におけるシステム同定-画像情報を用いた移動ロボットのシステム同定-"電気学会論文誌D. (印刷中). (2003)
• [Publications] T.Yamaguchi, T.Yoshifuji, F.Harashima: "Human Centered Interface at Cyber-agent system"Proc. of The 7^<th> International Symposium on Artificial Life and Robotics (AROB 7^<th>. Vol.1. 320-323 (2002)
• [Publications] T.Yamaguchi, H.Hashimoto, S.Masuda, E.Sato: "Intelligent Space and Networked Robotics"Proc. Of The 2002 FIRA Robot World Congress. 51-56 (2002)
• [Publications] T.Yamaguchi, H.Murakami, D.Chen: "Human Centered Support System Using Intelligent Space and Ontological Network"Proc. Of Euro Symposium on CI. (CD-ROM). (2002)
• [Publications] T.Yamaguchi, N.Ando: "Intelligent Space and Human Centered Robotics"Proc. Of Euro Symposium on CI. (CD-ROM). (2002)
• [Publications] T.Yamaguchi, T.Saito, N.Ando: "The K.E.I(Knowledge, Emotion and Intention)based robot using Human Motion Recognition"Euro Symposium on CI. (CD-ROM). (2002)
• [Publications] T.Yamaguchi, E.Sato, S.Watanabe: "Human centered Intelligent Robots Using "Ontological Neural Network""Euro Symposium on CI Proc. Of IINTELLIGENT TECHNOLOGIES-THEORY AND APPLICATIONS. 34-39 (2002)
• [Publications] T.Yamaguchi, A.Sannoh, M.Iori: "Evolutionary Human Support Agents and Application"Euro Symposium on CI Proc. Of IINTELLIGENT TECHNOLOGIES-THEORY AND. 255-261 (2002)
• [Publications] T.Yamaguchi: "Intelligent Space and New IT Systems"The 1^<st> Pan-Pacific Symposium on Information Technology. 99-112 (2002)
• [Publications] T.Yamaguchi: "Human Robot Interaction via Evolutionary Network Intelligence"ICCA 2002 International Conference on Control. (CD-ROM). (2002)
• [Publications] 山口 亨: "GA.ニューロを用いた学習法とその応用調査専門委員会 編 学習とそのアルゴリズム(3章)"森北出版株式会社. 16 (2002)
• [Publications] T.Yamaguchi, E.Sato, M.Watanabe: "INTELLIGENT TECHNOLOGIES-THEORY AND APPLICATIONS Human Centered Intelligent Robots Using "Ontological Neural Network""ohmsha(出版準備中). (2003)
• [Publications] T.Yamaguchi, A.Sannoh, M.Ior: "INTELLIGENT TECHNOLOGIES-THEORY AND APPLICATIONS "Evolutionary Human Support Agents and Applications""ohnsha(出版準備中). (2003)