ロバスト繰返し制御系の新しい枠組みの構築に関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14550452
• Research Institution: TAKUSHOKU UNIVERSITY
• Principal Investigator: 中野 道雄 拓殖大学, 工学部, 教授 (80016451)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 余 錦華 東京工科大学, 工学部, 助教授 (10257264)
• Keywords: 繰返し制御 / 周期入力 / 周期外乱除去 / 学習制御 / 繰返しコントローラ / ポジティブフィーバック / 無限大ゲイン / 安定円

Research Abstract

まず前年度、新たに提案した繰返しコントローラは、前向き伝達関数を従来e^<-jωL>であったのに対してKe^<-jωL>とし、これにゲイン1/Kでポジティブなフィードバックをかけるという新たな枠組みを提案した。今年度、このコントローラの特性について検討した。すなわちこのコントローラの周波数伝達関数Ke^<-jωL>/(1-e^<-jωL>)はとなり、基本周期およびこの高調波を含む繰返し入力及び外乱にたいしてはゲインを無限大にできることはこれまでと同様である。しかしこのコントローラを持つ系の安定領域は複素平面上で実軸(0,1/K)を中心とし半径1/Kの円内と変化するため、Kを0近づけると、安定円は中心を無限遠点にもち、半径が無限大となるため、右半面全体を安定領域にできることが明らかなった。
つぎに前向きゲインを定数1/Kな変え、これにゲインKe^<-jωL>でポジティブなフィードバックをかけることにより周波数伝達関数(1/K)/(1-e^<-jωL>)をもつコントローラを実現する。これにより安定領域がさらに大幅に広げられ、複素平面のほぼ全域を安定領域にできることも明らかなった。

Research Products

• [Publications] Takashi KOGA, Michio NAKANO: "Improvment of Control Performance using Hysteresis Element"'03 KOREA-JAPAN JOINT SYMPOSIUM ON ADVANCED INDUSTRY APPLICATIONS. MASAN, KOREA. 64-69 (2003)
• [Publications] Jin-Hua She, Michio NAKANO: "A New Approach to the Estimation and Rejection of Disturbances in Servo Systems"IEEE-AC. (掲載決定済み 号巻未定).