2004 Fiscal Year Annual Research Report
火山礫を用いたポーラスコンクリートブロックのヒートアイランド現象緩和特性の評価
Project/Area Number |
14550461
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
加賀谷 誠 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (00091794)
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Keywords | 火山礫 / ヒートアイランド現象 / コンクリート部材の熱源効果 / 屋外暴露試験 / 相対動弾性係数 / 短波反射率 / 気化潜熱 / 放射熱量低減効果 |
Research Abstract |
都市中心部の気温が周辺より高くなるヒートアイランド現象が,大都市だけでなく中小規模の地方都市でも顕在化していることが明らかにされている.とくに,コンクリート構造物の外壁,柱および梁の側面などは直射日光を受けることで熱源体となりやすいと考えられている.このような構造部材表面を保水性を有する建設材料で被覆し,水分蒸発により気温を下げるための材料の開発・研究は極めて重要である.コンクリート構造部材の熱源効果の抑制によるヒートアイランド現象の緩和を図ることを目的として,秋田県産火山礫を用いた軽量で吸水率の大きいポーラスコンクリート(POC)版の屋外暴露実験を一昨年に引き続き2004から2005年に実施して相対動弾性係数,断面中心温度,日射の短波反射率の測定を実施した.得られた結果を要約すると以下の通りである. 1)火山礫POC版の断面中心温度は,2004年夏から秋の2ヶ月間を通じて屋外気温よりも4℃低く,大気から吸熱して温度を下げる効果を有している.一方,普通コンクリート版の断面中心温度は外気よりも最大5℃高く,大気へ放熱していた. 2)火山礫POC版の短波放射率は,普通コンクリート版より小さく,大気を暖める放射熱量が小さい.さらに吸水率の大きい火山礫POCの水分蒸発に伴う気化潜熱により断面中心温度の上昇抑制効果を発揮する. 3)暴露試験において火山礫POCの相対動弾性係数を継続的に測定した結果,耐久性の低下は認められなかった. 4)火山礫POC版の普通コンクリート上面への付着は,普通コンクリート内部温度の上昇抑制により熱源効果を持続的に低減しヒートアイランド現象を緩和できる.
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Research Products
(5 results)