2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550480
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
有住 康則 琉球大学, 工学部, 助教授 (90109306)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 義智 琉球大学, 工学部, 助教授 (80220416)
矢吹 哲哉 琉球大学, 工学部, 教授 (50005378)
|
Keywords | 折れ板断面桁 / 耐荷力実験 / 景観 / I形断面鋼桁 / 有限要素法 / 弾塑性有限変位解析 |
Research Abstract |
本研究では,橋梁構造物の使用を目的とした新しい桁構造形式の一つとして,桁側面に,造形的にも好感度の高い光りと影のラインを与え,尚且つ高い強度上昇が可能となる力学線が存在する折れ板断面鋼桁を提案し,その力学線が桁の強度特性に及ぼす影響について検討を行った.折れ板断面桁は,I形断面桁のウェブ部に折れ鋼板材を用いることによって,折れ線上に光と影のラインを与え,桁高を低く見せる効果が有り,景観上優れた構造部材になり得るものと考えられる.更に,構造上の特性として,折れ鋼板材に力学線が存在することによる側方への補剛効果が期待される. 本研究では,折れ板を用いた新形式鋼桁の耐荷力特性に関する基礎的資料を得る目的で,まず初めに,折れ板断面鋼桁について模型桁を製作し,実験供試体に等曲げモーメントを作用させて耐荷力実験を行った.本耐荷力実験では,崩壊の主要因が,断面を構成する板要素の局部座屈,部材全体の横倒れ座屈,及び局部座屈と横倒れ座屈との連成座屈となるように,実験供試体を3体製作し,耐荷力実験を行った.なお,折れ板断面実験供試体のウェブの折れ曲げ位置は,道路橋示方書で規定されている水平補剛材を一段用いる場合の取り付け位置とした.耐荷力実験により,折れ角θ=5°の折れ板断面桁の曲げ耐荷力は,I形断面鋼鈑桁のそれを上回り,ウェブ断面の「折れ」による補剛効果が期待できることが明らかとなった. 次に,薄板耐荷力解析用に開発した弾塑性有限変位理論に基づく解析法を用いて耐荷力解析を行い,その強度について実験結果との比較検討を行った.本解析手法による結果は,実験で得られた荷重-変位曲線,最大曲げ耐荷力及び変形モードを精度良く評価できることを示した.
|