2003 Fiscal Year Annual Research Report
風波と気流の局所相似構造に基いたエネルギー供給および逸散量の評価に関する研究
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14550510
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| Research Institution | Niigata University |
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Principal Investigator |
泉宮 尊司 新潟大学, 工学部, 教授 (60151429)
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| Keywords | 風波 / エネルギー逸散 / 相似構造 / 乱流境界層 / エネルギー供給 / 平衡スペクトル / 飽和度 / 波浪推算 |
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| Research Abstract |
風波のスペクトルの局所相似性を調べるために,周波数fの-4乗則に従うKitaigorodskiiおよび鳥羽のスペクトル,および-11/3乗則に従うKolmogoroffスペクトルと比較した.その結果,概略的には-4乗則に従っているものの,風速12m以上の高風速では,表面張力の影響を考慮する必要があることが分った.また,平衡スペクトルに漸近するのは,室内風洞水槽実験においては,ピーク周波数のおよそ2倍から3倍以上の周波数であることも明らかとなった.一方,風波下の流速成分の周波数スペクトルに関しては,Koimogoroffの-5/3則がピーク周波数の2倍程度以上の周波数で成立していることが示された.これらのことから,風波の水面波形と流速場のスペクトルには,局所的な平衡スペクトルが存在し,前者においては海面摩擦速度u^*と重力加速度gが支配的なパラメタとなり,後者においてはエネルギー逸散率εと代表速度urが支配的なパラメタとなることが分った.風波下の流速のスペクトルにピーク周波数の2倍程度以上の周波数において,慣性小領域が現れることは,風波の内部逸散率がその周波数以上においてほぼ一定であることを示唆するものであり,風波のエネルギー逸散スペクトルをモデル化する際に重要な特長となるものである.
エネルギー逸散スペクトルが,飽和度の関数として表され,かつ流速成分の3乗の比例するものとして,方向スペクトルを用いて評価された.その結果,エネルギー逸散スペクトルは方向スペクトルの3/2乗の比例し,エネルギー供給項とバランスすることを考慮すると,その比例係数は波齢の逆数の関数になることが分った.また,十分に発達した風波の平衡スペクトルは,周波数の-4乗に比例して減衰することも示された.以上のことにより,平衡スペクトルを考慮した風波のエネルギー逸散スペクトルのモデル化がなされ,この評価式を用いることにより,風波の波浪推算の精度向上つながるものと期待される.
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[Publications] 山下裕之, 泉宮尊司, 長谷部純他: "海面抵抗係数の波齢および波形勾配依存型評価式の提案"土木学会海岸工学論文集. 第50巻. 91-95 (2003)
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[Publications] 山下裕之, 泉宮尊司, 長谷部純他: "風波下の乱流の相似構造と乱流エネルギーの生成・逸散に関する研究"土木学会海岸工学論文集. 第50巻. 76-80 (2003)
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[Publications] 泉宮尊司, 高島卓也: "海面水温場の時空間変動から平面2次元流速場の逆推定法"土木学会応用力学論文集. Vol.6. 77-84 (2003)
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[Publications] 泉宮尊司, 吉田淳: "観測誤差を含む極地データから推定した再現確立値の信頼区間について"土木学会海岸工学論文集. 第50巻. 221-225 (2003)
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[Publications] 泉宮尊司, 松井直也, 石橋邦彦: "砂浜の分光反射率を用いた大気補正法と沿岸域環境情報の抽出に関する研究"土木学会海岸工学論文集. 第50巻. 1381-1385 (2003)
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[Publications] T.Izumiya, J.Hasebe, G.W.Huang: "A study on turbulence behavior near air - water interface"Proc. of Int.Symp. on Naval Architecture and Ocean Engg... Shanghai, China. 10-1-10-7 (2003)
