2003 Fiscal Year Annual Research Report
自然海岸・養浜海岸における海岸構造物設置後の浜崖形成予測モデルに関する研究
Project/Area Number |
14550514
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西 隆一郎 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (30189253)
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Keywords | 浜崖 / 汀線変動 / 海岸侵食 / 現地調査 / 数値計算 |
Research Abstract |
現地調査と数値計算プログラムに関して検討を行った。まず、現地調査は鹿児島県吹上浜海岸、宮崎県青島海岸、福岡市海ノ中道海岸において、また、参考として済州島においても済州大学校の金教授と海浜調査を行った。吹上げ浜海岸においては、小野川から万之瀬川に至る約10kmの区間で、汀線測量および浜崖基部(砂丘基部)位置のGPS測量を行った。また、伊作川前面の漁港形状と位置についてもGPS測量を行った。次いで、青島海岸では青島直背後から加江田川河口までの約2km区間で、干潮時汀線測量、HWL位置測量。浜崖位置測量、突堤位置測量を行った。また、顕著な浜崖が形成さている前面海域において、小型GPSを組み込んだフロートを用いて流れの観測を行い、沖向きの流れが卓越していることを確かめた。また、同位置では干潮時汀線・HWLともに陸側に交代していることが分かった。海岸構造物の影響を見るために、さらに、海ノ中道海岸で汀線測量、海岸構造物位置調査、および海食崖(浜崖)の状況を調べるための踏査を行った。その結果、漁港および突堤に隣接する海岸では、古砂丘までもが侵食され10m以上の高さを持つ海食崖状の浜崖が形成されていることがわかった。ただし、さらに漂砂下手側海岸では、まだ浜崖が形成されるほどの侵食は発生していなかった。ついで、数値計算用プログラムの改良もねらい、済州島のIho海岸で現地踏査を行った結果に基づき、海岸構造物による汀線変動の数値計算を行った。ただし、入射波高が小さい条件では浜崖が形成されるほどの汀線後退が再現されず、プログラムに改良の余地が高いことがわかった。さらに、青島海岸では、浜崖が沖向流れの発達する海浜背後に形成されていたが、この様な現象については現況のプログラムでは対処できず、次年度以降の検討課題として残される結果となった。なお、結果の一部については、H16年度の土木学会年次講演会で報告する予定である。
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