2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550515
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
堀田 新太郎 日本大学, 国際関係学部, 教授 (30087241)
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Keywords | 飛砂 / 細砂 / 海岸砂防 / 飛砂防止工 |
Research Abstract |
本研究の研究項目と平成14年度の研究経過は次のようである。 1.細砂(中央粒径0.2〜0.1mm)の飛砂のメカニズムの解明 粒径が揃った中央粒径がそれぞれ,0.1,0.15,0.2mmの硅砂と鹿島海岸より採集し,篩い分けした中央粒径0.25mmの飛砂量に関する風洞実験を終了した。実験結果は,いずれの粒径に対しても,飛砂量はべき乗則が成立することを示した。べき数は摩擦速度の2.8〜3.2程度の範囲にあるが,外力の算定条件から考えて,平均的には3乗に比例すると考えてよい。従って,飛砂量は河村公式あるいはバグノルド公式で算定できると判断された。しかし,実験係数は3種類の硅砂はほぼ同じで約2.0程度であったが,鹿島砂では約1.1であった。外力算定のための風速鉛直分布測定において測定プローブの損傷が激しく,新規購入経費の余裕がなったので飛砂量の鉛直分布についての実験は平成15年度に実施することにしている。 2.砂浜に隣接して設けられている公園などの小構造物の周辺に局所的に堆積する飛砂の防止法の開発 過去の現地調査で撮影した写真の小構造物の周辺の砂堆積状態と形成される局所流れとの関係を比較した。形成される局所流れと砂の堆積状況は明らかに関係しているが量的な関係を定めるにはいたらなかった。平成15年度に風洞実験を計画している。 3.高さ数メートル〜10メートルのフェンスを越える飛砂量の推定 神奈川県湘南海岸での高さ10メートルの鋼製フェンスで観測したデータの解析をした。高さが高くなれば捕捉された飛砂の中央粒径は海浜上の砂の中央粒径より小さくなる傾向があるが,ほぼ海浜上と同程度の中央粒径であった。平成15年度に平坦な現地砂面上に高さ1メートルの障害物(不透過性垣)を設置し,局所流と飛砂量を計測する予定である。
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