2003 Fiscal Year Annual Research Report
実河川に自然堆積した粘着性土の浸食機構の解明と現地浸食試験法に関する研究
Project/Area Number |
14550516
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
関根 正人 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60187854)
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Keywords | 粘着性土 / 浸食速度 / 浸食機構 / 浸食速度予測式 / 浸食試験機 |
Research Abstract |
本研究では,実河川に堆積する粘着性土の浸食過程の解明と,浸食速度の予測手法の確立とを目的としています.なお,著者のこれまでの研究によって,いわば理想的な条件下における粘着性土の浸食過程が明らかなってきており,これが本研究の基礎となっています. 本研究では,これまで十分な検討がなし得なかった「浸食のメカニズム」についての細部にわたる検計を行い,浸食の際に供試体表面に現れる波の成長・発達のプロセスとこれが浸食自体にどのように関わるかについて明らかにし,これによって現象の理解を深めることができました.さらに,浸食速度の予測を可能とすることに努め,結果的に浸食速度式の誘導とその検証とを行うことができました.これがひとつの成果です.さらに,これらの成果を実河川に適用していくことを目指し,次の2点についての検討に着手しました.ひとつは,実河川に堆積している粘着性土が乾燥・湿潤の履歴を受けていることに注目し,浸食過程ならびに浸食速度に及ぼすこの履歴の影響について定量的に評価することにあります.研究の結果.供試体内に生じる水含有率の不均一さにより規模の大きな浸食が生じる可能性が高まること,浸食速度に関しては平均的には上記の理想的な状態におけるものとほぼ同一とみなせること,などが明らかになりました.さらに,これまでに実験手法に代わって,実河川において浸食速度を直接計測する試験機の試作ならびに拭験方法の確立についての検討を行いました.これは,これまでの研究が実験室内の水路においてなされたものであり,同様の検討を現地材料に対して行うためには,供試体をその状態を保ちながら輸送する,という難しい問題があることを考慮してのことです.今後に残された課題も少なくありませんが,価値ある成果が得られたと考えております.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 関根正人, 西森研一郎, 藤尾健太, 片桐康博: "粘着性土の浸食進行過程と浸食速度式に関する考察"土木学会水工学論文集. 第47巻. 541-546 (2003)
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[Publications] 関根正人, 西森研一郎, 安藤史紘: "粘着性土の浸食過程とそれに与える乾燥湿潤履歴の影響"土木学会水工学論文集. 第48巻. 937-942 (2004)
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[Publications] 関根正人, 西森研一郎, 藤尾健太: "粘着性土の浸食進行過程に関する一考察"土木学会第58回年次学術講演会講演概要集. No.58/部門II. 297-298 (2003)
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[Publications] 関根正人, 安藤史紘, 藤尾健太, 坂本柘哉: "粘着性土の浸食速度に与える乾燥湿潤履歴の影響"土木学会第58回年次学術講演会講演概要集. No.58/部門II. 299-300 (2003)