2002 Fiscal Year Annual Research Report
知的情報処理を利用した交通行動モデルの適用に関する研究
Project/Area Number |
14550528
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
秋山 孝正 岐阜大学, 工学部, 教授 (70159341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥嶋 政嗣 岐阜大学, 工学部, 助手 (20345797)
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Keywords | 交通行動分析 / ファジィ推論 / ソフトコンピューティング / 時空間制約 / 交通政策評価 / 混雑料金 / 人工生命 / 機械学習 |
Research Abstract |
本研究は、知的情報処理を用いた交通行動モデルを用いて、的確な都市交通政策評価を行うことを目的としている。本年度は初年度として、「時空間制約を考慮した個人の交通行動モデル」を交通行動記述ユニット群として体系的に構成するため以下の手順によって研究を実行した。 1)既存の交通行動モデルの問題点を整理するとともに、PT調査を基本とする広域的交通計画と補完的調査に基づく個人行動分析方法を整理した。また都市交通政策評価の観点から交通行動モデルに必要な要件について体系的に検討を行い、基本的なモデル構造を明確にした。 2)知識利用型交通行動モデルを形成するため、「ソフトコンピューティング」の特徴と有効性を整理した。特に中心的手法である「ファジィ推論」と確率的方法と統合による実用的モデルを提案した。またファジィ数により、交通行動の「時空間的制約」(プリズム)を定量的に表現した。 3)人間の活動時間配分と交通行動を推計する基本モデル群として、(1)ファジィ時空間制約下の出発時刻決定モデル(交通発生・帰宅選択)、(2)ファジィ推論型ロジットモデル(機関分担)、(3)ロジットモデル駆動型ファジィ推論(目的地選択)、(4)ファジィ化ニューロ(経路選択)、(5)ロジット・NN結合モデル(交通行動パターン)を提案し、各モデル相互間の関連性について検討した。 4)各モデル構成に関して、交通行動規則の自動生成を目指し、ID3など「機械学習」の方法を導入した。「交通行動パターンモデル」では選択肢集合の規定が複雑であるため、観測された行動パターンを獲得知識として、帰納的な推論過程を有する機械学習型の推論モデルが構成された。 5)上記手順から構成された「交通行動推計ユニット群」を統合して、「多段階の交通行動意思決定モデル」を作成した。また交通行動推計プロセスにおいては、個人の交通行動を活動に対応させて、トリップごとに順次推計し、一連のトリップ連鎖を表現できるモデルが提案された。 6)構築された逐次推計型の交通行動モデルの適合性を検証した。まず既存データに対する個別ユニット部のモデルごとの現況再現性から各モデルのキャリブレーションを実行した。さらに「統合的モデル」として、段階的推計手順における問題点を抽出し、モデル改良の方向性を検討した。
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Research Products
(16 results)
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[Publications] 小澤友記子, 水谷香織, 秋山孝正: "混雑料金政策導入時の交通行動変化に関する基礎的分析"平成13年度土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 375-376 (2002)
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[Publications] 秋山孝正, 小川圭一, 奥嶋政嗣, 土田貴義: "カオス理論を用いた都市高速道路流入交通量の時系列予測に関する研究"日本ファジィ学会誌. 14巻・4号. 421-430 (2002)
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[Publications] 小川圭一, 秋山孝正: "渋滞シミュレーションを用いた都市高速道路混雑料金に関する実証的分析"交通学研究/2001年研究年報. 通巻45号. 197-206 (2002)
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[Publications] Takamasa Akiyama, Masashi Okushima: "Formulations of Traffic Assignment Model with Hybrid Travel Time Description"Proceedings of SICS & ISIS 2002 (CD-ROM). 20610 (2002)
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[Publications] Y Takihi, M.Okushima, T.Akiyama: "Application of Inflow Control Method with Fuzzy Logic for Urban Expressway"Proceedings of SICS & ISIS 2002 (CD-ROM). 20611 (2002)
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[Publications] 小澤友記子, 秋山孝正: "ファジィ時間価値を考慮した交通機関選択モデルの構築"平成13年度ファジィシンポジュウム研究発表会講演概要集. 579-580 (2002)
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[Publications] 小川圭一, 秋山孝正: "都市道路網の効率的利用のための経路誘導情報の提供方法に関する検討"第22回交通工学研究発表会論文報告集. 181-184 (2002)
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[Publications] 小澤友記子, 秋山孝正: "混雑料金導入時における交通行動変化の記述"第22回交通工学研究発表会論文報告集. 217-220 (2002)
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[Publications] 秋山孝正, 奥嶋政嗣: "人工生命手法を用いた道路網の交通現象解析"第16回応用地域学会研究発表大会発表論文. 1-19 (2002)
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[Publications] 小澤友記子, 秋山孝正, 奥嶋政嗣, 高羽俊光: "ファジィ交通行動モデルを用いた混雑料金政策の評価"土木計画学研究・講演集(CD-ROM). Vol.26. 263 (2002)
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[Publications] 秋山孝正, 奥嶋政嗣: "都市交通政策としてのゾーン別混雑料金設定-遺伝的アルゴリズムを用いた分析-"交通学研究/2002年研究年報. 通巻46号. (2003)
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[Publications] 澤田耕一, 秋山孝正, 奥嶋政嗣: "人工生命モデルを用いた都市交通政策の評価"平成14年度土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 365-366 (2003)
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[Publications] 豊田将隆, 秋山孝正, 奥嶋政嗣: "決定木分析法の交通行動分析への適用性の検討"平成14年度土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 347-348 (2003)
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[Publications] Takamasa Akiyama, Takahiro Noiri: "The Analysis of Zonal Congestion Pricing on Urban Network"The Selected Proceedings of the Ninth World Conference of Transport Research. (2003)
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[Publications] 山田浩之編著: "日本交通政策研究会双書 15 交通混雑の経済分析ロードプライシング研究"勁草書房. 332 (2001)
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[Publications] 北村隆一編著: "ポスト・モータリゼーション21世紀の都市と交通戦略"学芸出版杜. 256 (2001)