2002 Fiscal Year Annual Research Report
STI値を指標とする凝集沈澱と強化ろ過との併用による浄水処理の高効率化
Project/Area Number |
14550538
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
海老江 邦雄 北見工業大学, 工学部, 教授 (10001223)
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Keywords | 凝集沈澱 / ろ過 / ポリ塩化アルミニウム(PAC) / ポリシリカ鉄(PSI) / 吸引時間比(STI値 / 急速撹拌強度(GR値) / 高効率化 |
Research Abstract |
凝集沈澱及び急速ろ過に新規技術を導入することによって、浄水処理における粒子分離効率の高効率化を図る実用化技術の開発が研究の目的である.この目的達成のために今年度実施した実験研究から得られた成果は以下の通り。 1.急速撹拌強度G_R値150s^<-1>で凝集剤注入率を上昇させる一般的な凝集沈澱処理では、PAC、PSIのいずれを使用した場合にも、濁度処理は十分に進行するが、処理水に多量の凝集剤が残留してSTIの上昇(ろ過損失水頭の急上昇、すなわち、ろ過時間の短縮)を惹き起こすことを検証した。 2.凝集沈澱処理水のSTI値の変動に対する寄与因子を三元配置法で分析を行ない、凝集剤量及び急速撹拌強度の寄与が圧倒的に大きく、濁度の寄与が極めて低いこと、それゆえ、凝集剤注入率を抑制すると同時にG_R値を適正化することが凝集沈澱処理において最も重要であることを明らかにした。 3.所定の凝集剤注入率においてG_R値を変動させた凝集沈澱処理を行って、最適G_R値の探索実験を行なったところ、凝集剤PACではG_R値450s^<-1>、PSI-3の場合にはG_R値650s^<-1>に濁度処理の最適G_R値が存在すること、さらにこれらのG_R値ではSTI値をも大幅に低減化できることを見出した。 4.ベンチスケールのろ過実験装置を用い、STIが異なるろ過原水を対象にしたろ過実験を行ない、G_R値とろ過損失水頭との相関を調べたところ、予測通り、両者の関係には大きな正の相関があることを明らかにした。 上記の1〜5から、従来採用していた凝集剤注入率を大幅に抑制しても、G_R値を最適化すれば、汚泥発生量、処理水濁度及びSTI値(ろ過損失水頭)のいずれに関しても良好な浄水処理を実現できることを基礎的に確認された。今後は、これらの結果に基づく連続流の実験プラントを用いた実験研究を行ない、当初の目的を達成するよう努力したい。
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Research Products
(2 results)