2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境浄化材としての無機陰イオン交換体-特性把握とその評価-
Project/Area Number |
14550541
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
風間 ふたば 山梨大学, 工学部, 助教授 (00115320)
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Keywords | ハイドロタルサイト様化合物 / 陰イオン除去 / 硝酸イオン / リン酸イオン / ホウ素 / フッ素 / ヒ素 |
Research Abstract |
ハイドロタルサイト様化合物は、水酸化マグネシウムのブルーサイト型構造を基本とする層状化合物で、天然にも存在するが合成も比較的容易であり、基本層ならびに層間に様々な元素が使用できる。層間の陰イオンは交換可能であるために、無機化合物の中では数少ない陰イオン交換体であるが、イオン交換能以外にも、表面がプラスに荷電していることや、Mg^<2+>の溶出に伴ってOH^-層が形成されるなど水処理材として興味深いいくつかの特徴を持っている。しかしながら、各種陰イオンなどの除去と、ハイドロタルサイト様化合物の組成(あるいは安定性)との関係やその機構などについては充分な検討を行なうまでに至っていない。そこで本研究においては組成の異なる種々の無機陰イオン交換体について、それらのもつ機能やこれらの機能に影響を及ぼす因子を一覧するとともに、この化合物の表面近傍での物理的、化学的な特性を明確にしたいと考えた。本年は、基本層を構成する元素であるカルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムの存在比の異なる化合物を用い、主として陰イオンの除去について検討を行った。鉄、マグネシウムを構成元素として持つ化合物は、硝酸イオンの除去に優れるが、アルミニウム、マグネシウムを構成元素として持つ化合物はリン、ホウ素、ヒ素などの除去に適すること、カルシウムとアルミニウムを構成元素とするものはフッ素の除去に適することが明らかとなった。これらの結果は、従来考えられているようなイオン交換機能によると考えるより、化合物の安定性や表面での水酸化物層の形成と関連させれば、構成元素と陰イオン除去特性との関連性を説明できることも明らかになっている。
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