2002 Fiscal Year Annual Research Report
人工流水による植物プランクトンの増殖抑制と水質浄化に関する研究
Project/Area Number |
14550544
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河原 長美 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (90093228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 芳朗 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (50152541)
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Keywords | 人工流水 / 植物プランクトン / 増殖抑制 / 水質浄化 / 砂礫の影響 |
Research Abstract |
照度と水温を一定に保った円形水路において人工的に流水を発生させ、別途培養しておいたMicroysris aeruginosaを用いて実験を行った。実験は、水路底に砂礫を敷き詰め流速を変えた実験と、砂礫を敷かずに流速のみをを変えてた実験とを行った。実験においては、水中の藻類濃度、SS、窒素、リン、CODを測定し、砂礫の粒度と流速の影響が藻類増殖ならびに水質に及ぼす影響を検討した。 砂礫を敷かずに流速の影響だけを検討した実験においては、流速が0-30cm/sの範囲内では、流速が速いほど藻類増殖速度が抑制されること、流速を与えた水路と流速の無い水路では、藻類の増殖の速度の他にも、水質変化が異なることが明らかになった。なお、流速を与えない水路では、最終的には最も藻類濃度が増加したが、実験の初期には増殖のラグが生じた。また、実験期間中の藻類濃度の変化は、設定した昼と夜とで濃度変化が異なり、夜間に濃度減少が生じる傾向にあった。ただし、次に述べる水路底に砂礫を敷き詰めた実験で生じる大きな濃度の変動は生じず、多少の増減は生じるが全体として藻類濃度は単調に増加し、一定値に漸近する傾向が認められた。 実河川を模擬して水路底に砂礫を敷き詰めた実験では、流速によって藻類増殖への影響が異なるようであり、流速の遅い場合には、濃度の減少、増加、安定化といった極めて複雑な変化を示した。この間、窒素やリンなどの栄養塩が欠乏するような状況は認められなかった。なお、砂礫の粒度の違いの影響に関しては明確ではなかった。
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