2002 Fiscal Year Annual Research Report
膜分離を用いた微生物排水処理系の運転・制御エキスパートシステムの開発
Project/Area Number |
14550548
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
長岡 裕 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (90207986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾 日出教 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (60010675)
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Keywords | 膜分離活性汚泥法 / 運動制御 / カルマンフィルター / 膜目詰まり / 菌体外高分子ポリマー / 膜間差圧 / エキスパートシステム / 拡張カルマンフィルター |
Research Abstract |
膜の目詰まり過程に関し,室内実験の結果を基に,エキスパートシステムを構築することを目的に、膜間差圧,菌体外ポリマー濃度、汚泥の性状(MLSS,粘性係数)等の指標の経日変化を追跡し,負荷変動やばっきサイクルなどの条件の変化に対応できる膜目詰まりモデルの構築を目指した。 ろ過抵抗の上昇を表す物理モデルとしては、菌体によるポリマーの生産と分解により混合液中のポリマー濃度が変化するという式、膜面へのポリマーの蓄積と剥離により膜面のポリマー濃度が変動するという式、ポリマー蓄積量とポリマー比抵抗の積でろ過抵抗が与えられるという式を考慮し、状態方程式を求めた。また、観測量は汚泥粘度と膜ろ過抵抗とし、汚泥粘度とポリマー濃度との関係は非線形とした。状態方程式と観測方程式は非線形であるので、これらの式をテーラー展開し、直接カルマンフィルタに適応させて,膜目詰まりの時期を予測することを目指した。膜分離活性汚泥法に関する室内実験データを用いて、上記の予測モデルの確認を行った。菌体外ポリマー量の推定値は測定値とほぼ同様の値を示し、また、菌体増殖に対するポリマー生産速度の割合,および膜面からのポリマーの剥離量速度は,カルマンフィルターアルゴリズムの計算とともに一定値に収束する傾向を示した。これらの収束した状態量を用いて,ろ過抵抗の長期予測を行った結果、状態量が十分に収束した後の予測値は、実測値と十分制度よく一致した。
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[Publications] 宇佐美 和也, 長岡 裕: "膜分離活性汚泥法における付着生物膜近傍の溶存酸素濃度分布の測定"第30回関東支部技術研究発表会講演概要集. 7-54 (2003)
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[Publications] 秋田 将志, 長岡 裕: "膜分離活性汚泥法における不織布利用の研究"第30回関東支部技術研究発表会講演概要集. 7-46 (2003)
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[Publications] 中村 充博, 長岡 裕: "膜分離活性汚泥法における精密ろ過膜の孔径について"第30回関東支部技術研究発表会講演概要集. 7-45 (2003)
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[Publications] 信澤 雄一郎, 長岡 裕: "カルマンフィルタを用いた膜分離活性汚泥法の膜目詰まりの推定"第30回関東支部技術研究発表会講演概要集. 7-39 (2003)
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[Publications] 長岡 裕, 飯尾尚弘: "浸漬型膜分離活性汚泥法において膜面に働くせん断力"第37回日本水環境学会年会講演集. 291-291 (2003)
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[Publications] 杉山真一, 長岡 裕, 島森正和: "膜分離活性汚泥法における排水組成が目詰まりに与える影響"第37回日本水環境学会年会講演集. 184-184 (2003)