2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550551
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
若井 郁次郎 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (90026336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花嶋 温子 大阪産業大学, 人間環境学部, 講師 (90289512)
小幡 範雄 立命館大学, 政策科学部, 教授 (70224300)
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Keywords | 都市 / 持続可能性 / 環境指標 |
Research Abstract |
初年度の研究実施により得られた新たな知見は、下記のとおりである。 1 都市の持続可能性の総合評価には、都市の時間的、空間的状態を適切に表現する指標開発が必要である。このため、都市や地域の環境管理計画に応用されつつある環境指標をレビューすることが重要であると考え、これまで環境指標の体系化とその発展に取り組まれてきた、内藤正明京都大学大学院教授を都市の持続可能性研究会に招待し、研究交流を行った。環境指標は、公害関連の指標化に始まり、アメニティ、エコロジー、持続可能性、豊かさへと、時代の背景や国民の価値観の変化により段階的に発展してきていることが明らかになった。そして環境指標の発展段階を本研究課題に照らし合わせれば、都市の持続可能性を表現する指標開発には、経済、社会及び環境の3側面を考慮するとともに、評価基準の考え方を明確にする必要があることが明らかになった。 2 持続可能な都市の成立に不可欠な水資源については、仲上健一立命館アジア太平洋大学教授を都市の持続可能性研究会に招待し、研究交流を行った。今日の水資源環境管理では、自然的要素及び杜会経済要素の両面からの不確実性下において、量的制御には経済性、効率性、循環性及び自然性の4要素を導入した持続性が、また質的制御には安全性、快適性、多様性及び共生性の4要素を導入した健全性が、それぞれの評価基準となり、総合評価されている。この考え方より、都市の持続可能性を表現する指標の集約化及び総合評価の方法論の検討に有益な示唆を得ることができた。 3 上記の研究交流を通じて、現代都市の特性を表すストック指標及びフロー指標の区分とともに、都市の持続可能性の成立要件として、水資源、エネルギー、食料などの基本指標群より構成される、サステナブル・ファンダメンタルズという概念を新たに導入し、これについての検討を深め、実証する必要があることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 若井 郁次郎: "エコグリッド都市構想についての基礎的研究"第2回 環境技術研究協会年次大会 研究発表会予稿集. 205-208 (2002)
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[Publications] 若井 郁次郎: "持続可能な都市指標の摘要限界性"第3回 環境技術研究協会年次大会 研究発表会予稿集. 77-78 (2003)
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[Publications] 花嶋 温子: "持続可能な都市指標の体系的構築"第3回 環境技術研究協会年次大会 研究発表会予稿集. 79-80 (2003)