Research Abstract |
本年度は,PETボトルの製造からリサイクルまでの(1)環境負荷評価,(2)コスト評価を行い,さらに(3)飲料用PETボトル再生商品に対する消費者の購入意識調査を実施した。環境負荷・コストの評価範囲は,資源採取から,PETボトル製造,自治体の回収・運搬,選別,委託業者によるフレーク化までである。なお,PETボトルは1.5Lボトルとした。 (1)環境負荷評価 1)PETボトルのリサイクルと焼却に伴うCO_2発生量を比較した結果,差はほとんどない。 2)PETボトル製造とリサイクルに伴うCO_2発生量を比較した結果,リサイクルは製造の1/4程度である。 3)リサイクル工程では収集・運搬に伴うCO_2発生量が9割以上を占めている。 (2)コスト評価 1)PETボトルのリサイクルと焼却に伴うコストを比較した結果,リサイクルの方が約3円/本高い。 2)PETボトル製造とリサイクルに伴うコストを比較した結果,製造の方が3.5円/本高い。 3)リサイクル工程では収集・運搬に伴うコストが約9割を占め,そのほとんどが人件費である。 (3)飲料用PETボトル再生商品に対する消費者意識 1)消費者はPETボトルのリサイクルに対して,ほとんどの人が賛成しており,PETボトルから再生商品が製造されていることを認識している。 2)再生商品として「三角コーナー」,「文房具」,「カーペット」,「ワイシャツ」について「価格」,「機能性」,「見た目」,「手触り」,「環境への優しさ」のどれを重視するか調査した結果,いずれの商品においても「環境への優しさ」は最も重要度は低く,三角コーナー,文房具は価格,カーペットは手触り,ワイシャツは見た目が最も重視されている。そのため,機能を満足した上で,低環境負荷の商品開発が必要とされる。
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