2002 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート立体耐震壁の部材モデルに関する研究
Project/Area Number |
14550554
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒井 康幸 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80002210)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 光男 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (80166040)
|
Keywords | 鉄筋コンクリート / 耐震壁 / 曲げ引張ひび割れ / スリップ |
Research Abstract |
鉄筋コンクリート造建物には,直交する二方向の耐震壁が連続して配置され,壁断面がL形やコ形となる場合が少なくない。このような立体耐震壁が二方向水平力を受けると,直交壁からの境界応力と壁面内方向水平力によって壁脚部を横断するひび割れが発生する。このひび割れのひび割れ幅が増大し,せん断力を受けるとひび割れ面で滑りが生ずると考えられる。本研究では,曲げ引張力によって予めひび割れを生じさせた平面耐震壁にせん断力を加えて,ひび割れ幅とスリップ性状について実験的に検討した。試験体は,壁の上下に剛な基礎梁と加力梁(300mm×500mm)を有し,壁部分の高さは壁脚部のみを想定して124mmである。壁断面の種類は,壁全断面積,全鉄筋比,柱主筋比,壁筋比,柱形の有無をパラメータにして設定し,今年度は加力装置の能力から比較的鉄筋量の少ない7種とした。コンクリートは豆砂利普通コンクリートを使用し,打設は基礎梁,壁と加力梁の2回に分けて鉛直打ちとし,打ち継ぎ面はコンクリート打設の翌日に十分な目荒らしを行っている。加力は,せん断力の方向に対して圧縮側となる柱の上部に取り付けたアクチエータによって圧縮側柱のひび割れ幅を制御しながら,引張側柱上部と加力梁に平行に取り付けた2台のアクチエータによってシアスパン比が3となるように片振り繰り返しの曲げせん断力を加えた。今年度に得られた主な研究成果は以下のようである。1.ひび割れ幅が拡がると小さなせん断力でスリップする。2.せん断力-スリップ曲線の包絡線はスリップ開始後,曲げ降伏型の性状を示す。3.スリップ開始および降伏時のせん断応力度は,鉄筋比との相関が強い。4.スリップ降伏時の壁全体の平均ひび割れ幅は1mm前後である。
|
Research Products
(1 results)